角谷守さん
のうた一覧
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黒鉛を散らした都会の闇があり充電切れの何かが通る
平成二十九年十一月二十二日
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天才と云われた頃のたんぽぽと我の心は枯園をゆく
平成二十九年十一月二十一日
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有名な歌人の朝のツイートがだんだん伸びて千切れた朝です
平成二十九年十一月二十一日
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大喜利の短歌を抜けた飛行機がクルリクルクと止まって墜ちた
平成二十九年十一月二十一日
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暖房の煙たい匂いが残る部屋 剥いた檸檬は冬めき立って
平成二十九年十一月二十日
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ニーチェ読む少女は歌壇に名を連ね不良少年警官となり
平成二十九年十一月二十日
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歳時記に新年があり新年に大晦日がある年の瀬のこと
平成二十九年十一月十九日
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冬ざれに絆創膏を剥がすならテロルと音を立てるのだろう
平成二十九年十一月十八日
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一年が三百六十日ならば私は少し、老いるのだろう
平成二十九年十一月十八日
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「押し花に」と本を購ひ与ふれば父は子供を詩人にしけり
平成二十九年十一月十八日
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列車遅延各駅停車人身事故 きっと僕らは当駅止まり
平成二十九年十一月十七日
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ブラックは珈琲だけどホワイトは珈琲でない 心を慰め
平成二十九年十一月十六日
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電柱が煙突になり 夕暮れの薄い光は粒子の記憶
平成二十九年十一月十六日
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ラジオから深夜零時の時報鳴り「けふけふ」咳だけ喜んでいる
平成二十九年十一月十五日
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今日今日(けふけふ)、です。
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照明をイルミネーションと訳すならこの哀しみに訳語が欲しい
平成二十九年十一月十五日
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ビルの身が夜空に消えた亞浪忌に僕はポッキーのチョコだけを食べ
平成二十九年十一月十五日
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落ちぶれた哲学気取る奴共は大人の失う心を守り
平成二十九年十一月十五日
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森さんも林さんもいるけれど木さんがいないこの世の不条理
平成二十九年十一月十四日
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校門は冬めく音で迎えます。だからいつも、憂鬱でした。
平成二十九年十一月十四日
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絨毯の模様を踏み分け走る子が億万匹のダニを殺した
平成二十九年十一月十四日
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