千野鶴子さん
のうた一覧
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足元で春を囁くクロッカスたまにはうつむくのも悪くない
令和二年三月十六日
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春風に誘われるように見上げれば空にぽつりとしゃぼん玉ひとつ
令和二年三月十三日
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子どもらのはしゃぐ声のせしゃぼん玉弥生の空に軽やかに舞う
令和二年三月十三日
5
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月光を浴びなくなったからなのか何を見ようと歌が詠めぬのは
令和二年三月一日
7
最近全然詠んでない。
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振り向けばふるさとの方に丸い月注ぐ光は同じ色だろか
令和二年一月十一日
5
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手をつなぎ迷いながらも作ってくあなたと暮らすこの街の地図
令和元年十二月六日
6
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黒々と輪郭だけを日にかざしただひたすらに春待つ桜
令和元年十二月五日
3
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さあ冬の粧いせよと風が言い、遠き山々はおしろいはたく
令和元年十一月二十九日
4
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束の間の秋の舞踏会踊りきりドレスを脱いで冬支度する木々
令和元年十一月二十八日
3
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とりどりの木々や果実のおめかしに見とれて過ごす霜月の日々
令和元年十一月十五日
6
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見上げれば月暈のドレス身にまとい夜の女王は艶やかに笑む
令和元年十一月十五日
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せめてもの恵みもたらせ野分にて荒ぶる水が運びし土よ
令和元年十月三十一日
7
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気をつけてその三日月は釣り針だあやかしが君を連れて行くための
令和元年十月三十一日
4
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アクセルを踏んで私は旅に出るあの花の香も届かぬ場所へ
平成三十一年三月三十一日
7
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咲け木蓮芳香放ち祝福を旅立つ者に雨と降らせよ
平成三十一年三月四日
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痛いほど冷たい風に吹かれても陽光の色は春だとつげる
平成三十一年二月十一日
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私にはわからぬ言葉交わし合い小鳥のように子どもらは笑む
平成三十一年二月七日
5
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「まだまだだ油断ならぬ」と着込む君隣で僕はコートを捨てる
平成三十一年二月七日
3
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「はじまりの季節はそこ」と「すぐそこ」と甘ったるい風私につげる
平成三十一年二月七日
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陽光を冠のように髪に受け二十歳の君は凛と微笑む
平成三十一年一月十四日
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