関山里桜さん
のうた一覧
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ブラウスのちょうちん袖にふくふくの頬のいとしき幼年時代
平成二十九年九月三十日
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制服の夏ワンピースを吹き抜ける涼風惜しむ長月三十日
平成二十九年九月三十日
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密雲の窓より忍び込むごとき受験生らの眠る教室
平成二十九年九月二十七日
7
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雪の野を一人ながめし寂しさよ返り見すれど友おらずして
平成二十九年九月二十五日
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祖父の眼は衰えにけり 米粒ぞ白き茶碗の縁に残れる
平成二十九年九月二十四日
9
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曼珠沙華ひとむらごとに咲き萎れ他人どうしの行き交う小径
平成二十九年九月二十三日
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マツキヨの黒い袋と吉野家の袋ぶつかる買い物帰り
平成二十九年九月二十日
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鼻先に麝香を匂わされるよに目覚め女となりゆくおとめ
平成二十九年九月十九日
7
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あさがおの失せしプラ鉢 ひらがなで書きし名前のたどたどしさよ
平成二十九年九月十九日
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書けもせぬノベルの筋をえがきつつ暮れゆく窓辺にとろとろ眠る
平成二十九年九月十九日
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野分過ぎてあっけらかんと日の照れる土手に砕けし瓶の鳶色
平成二十九年九月十八日
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村雨の止みし学舎に少女らの笑いさざめきシャボン玉吹く
平成二十九年九月十三日
8
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臆病で狡き我にも夕雲の柘榴の色に照るは美し
平成二十九年九月十三日
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パンプスの下に病葉こわれけり新たな恋へ歩き出すとき
平成二十九年九月十日
13
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灯明に浮かぶ本願寺の門を舞台に歌手となりたき静夜
平成二十九年九月十日
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十六夜の月の海までくまなきに祠の鈴の響き涼しき
平成二十九年九月八日
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在りし日の愛憎劇は幕を閉じ安い寿司屋でけらけら笑う
平成二十九年九月七日
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「後朝」と書くに別れし人の肌の湿りけ思う古典の授業
平成二十九年九月七日
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うれしきは抱きしめられておりたきに同じく望む友のある時
平成二十九年九月六日
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明治期の純文学を説く君に初秋の書架は相応しかりき
平成二十九年九月六日
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