リクシアナさん
のうた一覧
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一葉の好みと聞きし黄八丈 文匣の如結ぶ半幅
平成二十八年三月六日
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貝、結んでさしあげたいです。
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目を閉じて紫色の残像はいつかの春の菜の花のネガ
平成二十八年三月十五日
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春駒の毛色の淡さ柔らかさ葦毛の期間を桜に重ねて
平成二十八年四月八日
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いつの日か消えてゆくのか この駅も 業務委託を貼り紙で知り
平成二十八年四月十三日
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落巣の飛べぬホオジロ雛を飼う折れた翼に猛禽の柄
平成二十八年四月十四日
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小雨降る庭の片隅水仙の緑明るく滴装う
平成二十八年四月十八日
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春雨が霙に変わり雪になりただその庭に水仙は咲く
平成二十八年四月三十日
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七輪に炭を熾して昼の宴辛夷を愛でてせせらぎを聞く
平成二十八年五月三日
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花弁がはらりひとひら言の葉の若葉茂れる木漏れ日の庭
平成二十八年五月五日
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終業の打刻軽やか午後1時プルタブを引き独り桜見る
平成二十八年五月八日
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新緑を窓に流して特急の光るボディで街を飛び出す
平成二十八年五月十三日
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北の町ささやく風は遅くとも夜空に同じ月のときめき
平成二十八年五月二十二日
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葉隠れにさえずり交わすキビタキの黄金に染まる初夏のたそがれ
平成二十八年六月五日
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人は行き色は移ろいほととぎす鳴けど定めの逢坂の関
平成二十八年六月十五日
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光源氏様の「逢坂の関にとどむるほ...
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葛切りの襞につたわる黒蜜の甘さやさしく雨間の空
平成二十八年六月二十日
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挿げたての鼻緒うきたつ夏至の宵たかなる胸の歯音がはずむ
平成二十八年六月二十一日
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雨すだれ重ねて翳む花のかげ籠れば淡き夢の移り香
平成二十八年七月二日
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夜更けには何れも孤独の横たわるなおも淋しやさめた人肌
平成二十八年七月五日
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青磁碗ひかげに清し夏は来ぬ風炉の屏風に抜ける茶の湯気
平成二十八年七月八日
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風ぬける印度更紗を肌にきて時の小舟の帆に委ねゆく
平成二十八年七月十七日
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