佐藤水村さん
のうた一覧
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古本の匂ひ懐かしなんべんも読みしヘッセをまた買ひにゆく
平成二十八年三月一日
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飼ひ猫の夜にしば鳴くうるさきも外を知らねばあはれなるかな
平成二十八年三月一日
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飼い猫が夜にしきりに鳴くのはうる...
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汝が美しき月に照らされ歌心吾が水底ゆ映えにけるかも
平成二十八年二月二十九日
4
あなたの美しい月のような瞳を見て...
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空き店舗四人五人の群がりて春の開店にぎはふらしも
平成二十八年二月二十九日
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グルメなんぞ関心もなし台所焼きパスタにはソーセージ乗せ
平成二十八年二月二十九日
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図書館の庭の裏手に吾が行けば低き梅の木花は照り映ゆ
平成二十八年二月二十六日
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真昼日の路地裏空き地真白なる洗濯物のはためひてをり
平成二十八年二月二十六日
5
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木の群に仄見ゆ梅の三つ二つ仰げばしば揺る竹の葉なりけり
平成二十八年二月二十四日
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木立にほのかに見える(早咲きの)...
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青空の高きにさやぐ竹林 海波の如迫り上がりつつ
平成二十八年二月二十四日
6
青空の高いところでざわめいている...
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灯台の明滅はねじ回しかな今宵も天の星を留めつつ
平成二十八年二月二十三日
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灯台の明滅する光はねじ回しである...
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窓の外まばゆき夕日湯欲りして台所立てば薄暗かりき
平成二十八年二月二十日
4
窓の外にはまばゆい夕日があった。...
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狭霧立ちやがてそぼ降る雨脚の急ぐ夕べとなりにけるかも
平成二十八年二月二十日
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霧がたって、そのままそぼ降る雨と...
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川沿ひの木群あまたの坂道の奥の家に汝は生ひ成りにけり
平成二十八年二月二十日
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川沿いの木立の多い坂道の奥のほう...
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春の町ポニーテールを振り返るその束の間に消えにけるかな
平成二十八年二月十七日
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真白なる汝が賜はりしハンケチの日増しにうすら汚れゆくかも
平成二十八年二月十七日
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振られましたとさ。
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駅前の路地裏の隅焼き鳥屋吾れよく飲みき新人の頃
平成二十八年二月十四日
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夕闇に汝れの影消ゆおもむろに汝れの鼓動の息づく聞こゆ
平成二十八年二月十四日
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昼下がり予報は伝ふ近き春少し翳れば冷えにけるかも
平成二十八年二月十四日
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人気なき風景のみぞ描きたる画家は五十路の独身なりき
平成二十八年二月五日
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身近なる人亡くなれば鉢を買ひ老いの幾年花と木に満ち
平成二十八年二月二日
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