まつりさん
のうた一覧
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遠くなる春の匂いを追いかけて伸ばした腕の先にまぼろし
平成二十八年一月十七日
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図書室の隅に忘れてきた蝶の翅の震えるかそけき音が
平成二十八年一月十六日
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かりかりとラメが剥がれてゆく爪に隠しておきたいやわらかさとか
平成二十八年一月十四日
6
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口笛とコットンキャンディ、赤い靴、水玉の傘、ニセモノの街
平成二十八年一月十二日
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七月のひかり集めて夏を待つきみのまぶたに海は広がる
平成二十八年一月八日
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降り積もる雪に覆われ眠らない街に虚構のパレードが行く
平成二十八年一月五日
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どろどろに溶けたわたしが姿見の中からわたしに死ねとささやく
平成二十七年十二月三十日
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ああきっと黙ってたって人は死ぬ何もせずとも人は死ぬのに
平成二十七年十二月三十日
4
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この駅に急行止まらず白線の内側に立ち見下ろす線路
平成二十七年十二月三十日
4
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浴槽に浸す手首の輪郭がとろけて、わたし、まだ生きている
平成二十七年十二月二十九日
5
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姿見の中でこちらを見る影の輪郭とろけて実存を問う
平成二十七年十二月二十九日
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永遠にラストシーンを繰り返し残像ばかり愛してる日々
平成二十七年十二月二十八日
8
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知ることが罰だと知った本当は知らないままでいたかったのに
平成二十七年十二月二十七日
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オーロラのかけらを君に見せたげる、手を開くから、いくよ、見ててね
平成二十七年十二月十八日
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散らばった夢のかけらを集めてはスノードームに閉じ込めている
平成二十七年十二月十七日
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七光年先のひかりの終焉と星の最期を見届けに来て
平成二十七年十二月十六日
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朝焼けの港に並ぶ鉄製のきりん 静かにまぶたを開く
平成二十七年十二月十五日
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港に並んでいるきりんの正式名称が...
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しあわせは青色の鳥のかたちして掴めばすぐに死んでしまった
平成二十七年十二月七日
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目覚めない白雪姫と死体しか愛することが出来ない王子
平成二十七年十二月七日
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午前二時 擦った燐寸の火ときみがオーバーラップして消えてゆく
平成二十七年十二月五日
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