己利善慮鬼さん
のうた一覧
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風鈴の鳴るが如くにはためいて紅い鼓動を歌う黒髪
平成二十七年一月二十九日
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痛みさえ水面に映る朝ならば僕は想いを伝えられるか
平成二十七年一月二十九日
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天降り付く天の香具山新たしき茜の空に現れて消ぬ
平成二十七年一月二十八日
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色褪せた写真の中の日溜まりに残る温もりやっと気付いた
平成二十七年一月二十八日
3
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白鋸に引き裂かれては夜半の月漂い寄せて返す哀しみ
平成二十七年一月二十八日
3
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赤とんぼ日暮れの空を飛んでゆく明日天気になったらいいな
平成二十七年一月二十八日
2
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氷雨降る月は隠りて立ち去りて濡れて光を映す眼差し
平成二十七年一月二十七日
3
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掻き鳴らすメジャーコードの音符達重なり合って昇りゆく熱
平成二十七年一月二十六日
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奇跡とは誰の未来に咲く花か水は何処に撒けばいいのか
平成二十七年一月二十五日
2
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大皿の並ぶ食卓ありがとう彼岸の父に捧ぐ炒飯
平成二十七年一月二十四日
1
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黒猫の眼光も利し月も利し行く行く霜の降りたる道で
平成二十七年一月二十三日
2
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抜け殻を集めて愈侘ぶる者羽搏く蝉の一つと成りて
平成二十七年一月二十二日
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逆羽の鴉は今日も空をゆく灰に被れた街も見ずして
平成二十七年一月二十二日
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月の輪も日の輪も立たぬ荒ら屋の中には今日の限りこそ在れ
平成二十七年一月二十一日
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カレイドの心涙を汲み上げる呼び水はそう君の優しさ
平成二十七年一月二十一日
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芽吹く時人は孤独な槍となる地を貫き天穿つまで
平成二十七年一月二十一日
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逢瀬にも住まうふたみの貝は果て冬の鏡に君は映らじ
平成二十七年一月二十一日
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枯れ木にも咲くなり白の花々は雪ともつかぬ疾と消えにけり
平成二十七年一月二十一日
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木漏れ日のベンチに座る昼下がり遠く椿の赤き麗し
平成二十七年一月十九日
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根蓴菜のくるめく夜に食う飯の苦きは笥子の無きが故かな
平成二十七年一月十八日
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