己利善慮鬼さん
のうた一覧
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春々の旅は玉緒の霜のかさ踏み初めし人の白ぞ揺蕩う
平成二十九年一月一日
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鍵一つ君がその手に握りしめ踏み出す朝の光は揺れる
平成二十八年十二月三十日
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夢冴えて冬の孤高な星きらり真白き鳥の征くは明日か
平成二十八年十二月二十九日
5
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花は咲く秋に日暮れの赤蜻蛉溶け出すように高く昇った
平成二十八年十月十一日
3
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海光る空黒に染む十月が此処に残した悪徳の笑み
平成二十八年十月十日
4
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夜を抱く乙女の瞼こじ開けて月の光が射殺す明日
平成二十八年十月十日
4
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花模様乙女の胸で上下して眠りは深く海の如くに
平成二十八年九月十八日
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凪染めて音も忘れた夕焼けに蜻蛉が二匹交尾していた
平成二十八年九月四日
4
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温泉と潮と渦巻く星空の夢は幼きあの日のままに
平成二十八年八月二十三日
3
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氷の山に夏の太陽染み込ませ海辺の町は今日も賑わう
平成二十八年七月二十九日
4
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ふとすれば夜が手招きする窓辺蛍光灯の光新し
平成二十八年五月二十四日
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陽の道に足跡つける蟇池はどっちじゃ乾いてならぬ
平成二十八年五月二十二日
1
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長靴の中から空を見上げたら思ったよりも澄んだ青色
平成二十八年五月十七日
3
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純朴な少年の我は髭を剃り鏡の中に黄昏を見る
平成二十八年五月十四日
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歌に聞く春が景色は墨江の枕にかかる夢となりけり
平成二十八年四月二十六日
4
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天辺に輝く星が憧れでいつしか旅の途中なのです
平成二十八年四月二十五日
2
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雨止んで蕾の中の怪物が初めて空を眺めた朝は
平成二十八年四月五日
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その角をちょいと曲がれば夜桜があると知りつつ真っ直ぐ帰宅
平成二十八年四月二日
9
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赤い春緑の春に青い春色とりどりの旅立ちがある
平成二十八年三月三十日
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磨かれし鋼ぞ玉の美しさよ断頭台と爽やかな風
平成二十八年三月三十日
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