己利善慮鬼さん
のうた一覧
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絶え間無き雨は瞼の裏側に染みて涙の源となる
平成二十八年四月二十三日
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錆を嘗めて生き血も騒ぐ女の味諸刃の恋ぞ叶うことなき
平成二十八年四月二十三日
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美祈ある命と成りて死に往かん君に一つの傷を遺して
平成二十八年四月二十三日
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傘の影月の光にゆらりかな乱れ黒髪春風に結う
平成二十八年四月十九日
3
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溜め息と見飽きた空を切り裂いて流星一つ君に届ける
平成二十八年四月十八日
3
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終電でそっとぶつかる肩と肩目が合うときは恋をするとき
平成二十八年四月十二日
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散ることも尊き花に嫉妬して踏みつけし草と顔を顰める
平成二十八年四月十二日
2
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春風に思い出すのは僕がそうまだ初恋の中にいること
平成二十八年四月十二日
1
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春を捨て風に冷やりと微笑んで僕は気高き獅子の名を継ぐ
平成二十八年四月九日
3
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花びらにそっと刻んだ初恋が川の流れにふっと消えても
平成二十八年四月五日
2
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ひたすらに空を夢見る桜さえ風が大地に落として行くの
平成二十八年四月四日
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薄切りの月をグラスに浮かべたら少し素直になれた気がする
平成二十八年四月四日
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さやさやと網戸を抜けて戯れる風は幼く恋を知らない
平成二十八年四月三日
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何色の春こそ恋の時でしょう澄み渡る風くすぐる言葉
平成二十八年四月三日
4
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ちょっとだけ道を外れて寝転んで見上げた空に星が踊った
平成二十八年四月二日
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駆け廻る子等の頭に一片の桜が留まり春が始まる
平成二十八年四月一日
2
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夜桜の色を光に問うてみた答えはやがて朝焼けの空
平成二十八年四月一日
4
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指結び唇繋ぎ解かれて春を真白に染め上げる恋
平成二十八年三月三十日
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旅人は星の子守りに歩み出す家に言葉と春を残して
平成二十八年三月三十日
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誰一人いない空には酸い青の欠片が一つ残されている
平成二十八年三月三十日
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