松本直哉さん
のうた一覧
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おととしの柱の傷ものこりけり姉と妹と測りあひし日
令和五年五月三日
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一羽鳴き二羽が倣ひて三羽和す 夜明けを告ぐる鳥たちのうた
令和五年五月三日
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ひらかたのさくらひとひらひらひらと春たけなはとなりにけるかも
令和五年五月三日
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トンネルを抜ければ流竄 われこそは新島守とつぶやいてみる
令和五年四月二十七日
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貿易商グラバー邸よりながむれば波しづかなる長崎の海
令和五年四月二十七日
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身まかりし数日前に途絶えたるインスタグラム見つつ偲びぬ
令和五年四月二十七日
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時は春時間は正午玲瓏とカリヨンの鳴る市役所広場
令和五年四月二十七日
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後ろ手にブラの留め金はづしけり月かげしるくてらす横顔
令和五年四月二十七日
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かき混ぜて流しこむときじゆわわわとかなしき音を立ててかたまる
令和五年四月二十五日
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禿げかたの美しいひとにあこがれる たとへばゲオルク・ショルティのやうな
令和五年四月二十五日
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ぬばたまのロザリオたぐる毎日のいのりこそわがささげものなれ
令和五年四月二十五日
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花びらに十重に二十重につつまれて薔薇のしとねのなかのまどろみ
令和五年四月二十五日
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雨あがり葉末に銀のしづくして野辺のみどりぞ色まさりける
令和五年四月二十五日
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「紅葉賀」ひもとく夕べ篳篥と笙のしらべにみつる行間
令和五年四月二十二日
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「眠りとは小さき死」とふことわざを思ひ出でつつ眠りに就く夜
令和五年四月二十二日
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手になじむ俳句歳時記胸もとに棺のふたはとぢられにけり
令和五年四月二十二日
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鳩ならば険しき峰をとびこえてつのる思ひをつたへなましを
令和五年四月二十二日
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ガラス戸に当たる小石を合図とすすべてを捨てて逃げだす手筈
令和五年四月二十一日
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ほんのりと汗ばむ額 泣きじやくる子をなぐさめてねむらしむれば
令和五年四月二十一日
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心をばなににたとへむ休講を知らずに待てるへやのあかるさ
令和五年四月二十一日
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