松本直哉さん
のうた一覧
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種見本みつつ春への夢つむぐ余命数月告げられし君
平成二十七年十月四日
9
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廿一世紀の子らのさりさりと梨を食みをり前の世紀の
平成二十七年九月五日
6
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はらはらと帯解くごとく梨の皮剥かれて白きはだへの見ゆる
平成二十七年九月四日
10
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第一声おなかすいたといふ娘らに焼きめしつくる半ドンの昼
平成二十七年八月二十六日
8
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いにしへの水主漕ぎたみし瀬戸内の海に棹さす一艘の舟
平成二十七年八月二十六日
6
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開けはなつ朝の窓辺の明るきに秋の涼風吹きぞいりぬる
平成二十七年八月二十四日
6
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夕凪のなぎさの波にサンダルをぬぎてあそびし足ぬらしつつ
平成二十七年八月二十三日
7
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玉かぎる夕さりくれば花綵のつらなりひかる瀬戸の大橋
平成二十七年八月二十二日
8
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薔薇窓にゆふかげさしてしづかなり被昇天祭ミサはをはりぬ
平成二十七年八月二十一日
5
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不発弾遠巻きにして人絶えし午後のしづもり鳥なきわたる
平成二十七年八月一日
11
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短夜に雪渓わたる夢を見き君が二の腕手枕にして
平成二十七年七月三十一日
4
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水を打つ庭の葉叢に虹色のとかげせつなにひかりてきゆる
平成二十七年七月三十一日
11
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鋭角にみなもをうがつ水着見ゆプウルサイドの夏の日ざかり
平成二十七年七月二十六日
7
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姿見にすがたうつして夏ゆかたくるりまはれば花咲くごとく
平成二十七年七月二十日
15
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口とがらせてメロンソオダを吸ふきみのまなこひかりて白き頬杖
平成二十七年七月四日
6
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えだまめをえだよりはづす子と吾と宵の厨にことばすくなき
平成二十七年七月二日
12
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去りぎはにきみの手折りしくちなしのひとえだたかくかをる宵闇
平成二十七年七月一日
10
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オクタアヴとどかぬきみのとつとつとさらふバイエルすがしとききつ
平成二十七年七月一日
4
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かまくらの夏のしばふの夕づく日網戸をこえて蚊遣りただよふ
平成二十七年六月二十九日
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はにかみて母の裳裾に隠れしが片目をみせてわらふをさなご
平成二十七年六月二十七日
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