松本直哉さん
のうた一覧
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きんとんをつくらむといふ子と吾とちまたに芋をえらぶたまゆら
平成二十八年十二月二十九日
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柚子の香ののこるあしたの風呂みづを汲みつつあらふ子らの衣を
平成二十八年十二月二十二日
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朝の戸を明くれば霧のたちこめて冬至の庭に咲くシクラメン
平成二十八年十二月二十一日
7
霧なのに錐などと 失礼いたしま...
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世の中に遅れて衣干す朝の冬のひかりのしづけさのなか
平成二十八年十二月十五日
6
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マフラーに顔をうづめてかへる子の髪かきやれば冬のにほひす
平成二十八年十二月十日
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追伸のやうにひとつのミニトマト余白に添ふる弁当の朝
平成二十八年十二月八日
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やはらかく冬のひかりの降る午後をふろふき大根煮ゆるしづけさ
平成二十八年十二月七日
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藍色に昏れゆく空をひとすぢの航跡しろくきえのこりたる
平成二十八年十二月五日
10
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目閉づればまなかひにたつ冬の日の大根干ししたらちねの母
平成二十八年十二月三日
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末の子にくちびるよせて起こす朝頬の産毛のほのかににほふ
平成二十八年十二月三日
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冬枯れの庭ながむれば「死と乙女」ひくく歌ひし声のしのばゆ
平成二十八年十二月一日
6
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背のびしてツリーに星をともす子の馬の尻尾の髪のゆれつつ
平成二十八年十一月二十七日
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木枯らしの過ぎにしのちのこのあした桜並木の空のあかるさ
平成二十八年十一月八日
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流れ星見しと言ひくる女童の湯あがり髪のいまだかわかず
平成二十八年十一月八日
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年輪といふ死の部分かかへつつよはひかさねて露の世を生く
平成二十八年十月十九日
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瑠璃茉莉風に吹かるる秋の日のみじかき午後のはや暮れそめぬ
平成二十八年十月十六日
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髪くろく睫毛のくろき女童の墨にて書きし二文字「質実」
平成二十八年十月五日
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彼岸より来たりし霊か鳥一羽さへづりやまぬ秋分の朝
平成二十八年九月二十三日
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雨音のとだえし夜半の闇の奥虫の音きけば秋ふかまりぬ
平成二十八年九月一日
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墜落の時刻にあはせ空を見き君の最期に見し空のいろ
平成二十八年八月十三日
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