松本直哉さん
のうた一覧
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魂を陰干しにして春ふかく昔のひとをしのぶもぢずり
平成三十一年四月二日
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思ひ川わたればくらき通ひ路に沢の蛍のあくがれいづる
平成三十一年四月一日
4
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たましひのくらがり峠今日も雨妥協といふことつゆしらぬまに
平成三十一年四月一日
3
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恩寵はすべてのものに紫木蓮白木蓮の花の上にも
平成三十一年三月三十一日
2
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「詠歌大概」ゆきなやみつつよむ日々の春のはじめのゆきやなぎ咲く
平成三十一年三月三十一日
3
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買ひ物の不便な街に住みなれてひと駅ぶんの散歩楽しき
平成三十一年三月三十一日
6
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ほのかにぞ寝覚めの床にかをりけるきみのたをりしフリージアの花
平成三十一年三月三十一日
4
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手毬唄うたひてかへる子どもらの影ながくなる春の夕暮れ
平成三十一年三月三十日
6
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いつの日か時の終はりの来たりなば絞り芙蓉のままに朽ちなむ
平成三十一年三月三十日
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「しつかりと」ばかりいはれて生きてきた男といふ名の罰ゲームだつた
平成三十一年三月二十九日
4
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すり鉢の底までたどるくらがりの巡礼の年ダンテを読んで
平成三十一年三月二十九日
2
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幾歳月こえさりゆかば原子炉の消えなむ国ぞ今日もなゐふる
平成三十一年三月二十九日
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ぬばたまの髪ふりほどく門のそと校則といふほだしをよそに
平成三十一年三月二十八日
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関係文綾なす森をふみわけてプルースト読む学園の午後
平成三十一年三月二十八日
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沈丁の香りほのかに小夜ふけて「義に飢ゑ渇くひとはさいはひ」
平成三十一年三月二十八日
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ヴァロワ朝系図うつくし解きがたき糸幾重にも結ぼほれつつ
平成三十一年三月二十八日
3
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しながとり猪名野をゆけばぬばたまの夜空をこがす大輪の花
平成三十一年三月二十七日
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はるかなるひとを恋ふとてふすよるもへだたる世にも穗にいでめやも
平成三十一年三月二十六日
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つぼみいまだかたしといへど紅ほのか染みつつかすむ桜の並木
平成三十一年三月二十五日
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かろやかに歌ひだしたるセロのふしチャイコフスキーのロココスタイル
平成三十一年三月二十四日
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