松本直哉さん
のうた一覧
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虫の音もたえて久しくなりにけりものみな枯るる真夜のしづもり
令和元年十一月二十三日
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うつし世のほとりにいこふ水鳥の羽交ひにあはき冬の日の照る
令和元年十一月二十一日
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ぬぎすてて裸にちかくなる樹樹の凛として佇つ霜月の空
令和元年十一月十八日
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散りぬれど色こそまされ朝露にさくらもみぢはしとどぬれつつ
令和元年十一月十七日
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たまきはる命はかなく「死と乙女」聴く小夜ふけてあはき菊の香
令和元年十一月十五日
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しぐれ降る生駒の山の峰かくれ見ねど恋しき君がまなざし
令和元年十一月十四日
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しらじらと月かげさゆる道行きをかへりみすればすべては枯野
令和元年十一月十二日
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初しぐれ過ぎにしのちのしづもりにもみぢ葉の散るおとのかそけく
令和元年十一月十一日
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もみぢ葉のいかだにのつて竜田姫去りゆく秋の川風さむき
令和元年十一月十日
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にほへども散りそめにけり初冬のいろはもみじは風のまにまに
令和元年十一月九日
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しろたえの雪かとぞ見る霜さゆるあしたの庭ににほふ白薔薇
令和元年十一月八日
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あこがれは蝶のごとしも垣根こえみづうみこえて雲のはてまで
令和元年十一月七日
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後ろ手に留め金はづすおもかげの白きせなかを恋ひつつぞ寝る
令和元年十一月六日
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亡きひとのまなざししのぶさざなみの志賀のみやこにかりん熟れつつ
令和元年十一月五日
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のりつぎの駅にわかるるゆふまぐれ領布振るひとのとほざかりゆく
令和元年十一月二日
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散り敷いてこがねのいろに染まる道きんもくせいも恋もをはりぬ
令和元年十一月一日
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もうすこしいつしよにゐたいな ささやいてうつむくひとのまつげのながき
令和元年十月三十一日
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かれはてて花たちばなのかげもなしゆくへ知らせよ秋のやまかぜ
令和元年十月三十日
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いそのかみふる雨ごとに秋ふかみからくれなゐに染まるうつし世
令和元年十月二十三日
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金色のちひさき星のかたちして秋雨に散る木犀の花
令和元年十月二十一日
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