松本直哉さん
のうた一覧
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水の上に数書くごときわがいのちやしなはんとて飯かしぐあさ
平成二十六年十月二十日
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貝殻のいちまいづつにペディキュアをぬりもてゆけり立てひざをして
平成二十六年十月二十日
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さくらおちばひろふ夕べのしづもりにかそけき虫のこゑのおとろへ
平成二十六年十月二十一日
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みどりごの大泉門のやはらかきへこみなづればなみだぐましも
平成二十六年十月二十六日
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サンダルの緒の切れしとてゆきなやむ子を倚らしめて夜ぞふけにける
平成二十六年十月二十六日
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おとろへてせのきみにささへられながら時かけて靴はきたまひける
平成二十六年十月二十七日
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おとろへてかすれてふるふわがきみの手蹟よむこそ泣かまほしけれ
平成二十六年十月二十七日
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もうおさなくてよいといふ子の自転車のかすかにゆらぎ均衡たもつ
平成二十六年十一月一日
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夕闇にほのかにしろくうきあがる天使の喇叭うつむきて咲く
平成二十六年十一月十四日
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はしりさるかなしみのごと横笛のしらべひとふしなりてやみぬる
平成二十七年二月五日
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梅しろくにほふ薄暮のさかみちをましろきはだの子とかへりきぬ
平成二十七年二月二十四日
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ぬれかへるランドセルの子十字路の彼岸にたちてちひさく手ふる
平成二十七年三月七日
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身もたまもささぐべき神ありやなしやミモザサラダのたまごむきをり
平成二十七年三月八日
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ふらんすはあまりに遠しフランシス・ジヤムの詩集を読みつぐよふけ
平成二十七年十月十三日
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なにもかもすててなにかに呼ばれたし収税吏マタイ呼ばれしごとく
平成二十七年十月十六日
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顫音のギターラ幽か イスラムの栄華燦たるアルハンブラに
平成二十八年三月四日
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いつの日か時の終はりの来たりなば絞り芙蓉のままに朽ちなむ
平成三十一年三月三十日
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豊頰をほのかにそめてをとめらのいでたつ野辺にみどりもえいづ
平成三十一年四月十二日
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夏服にそでをとほせばよみがへる去年のなつのくちづけの味
令和元年五月五日
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柔肌のあつき血潮の色をして薔薇咲きいづるさつきのひかり
令和元年五月六日
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