松本直哉さん
のうた一覧
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田作りが好きといふ子のぬばたまの髪つやつやと黒くかがやく
平成三十年七月十一日
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うみのいろはかなしみのいろ水葬のしぶきのきゆるなみのまにまに
平成三十年七月十五日
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みかきもり衛士のよあけを待つごとく深き淵より主をまちのぞむ
平成三十年七月十五日
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御巣鷹にきみみまかりしその日より夏の夜ばかりうきものはなし
平成三十年七月十六日
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わが身ぬちつらぬきとほるひとすぢのさびしき外部もの食ぶるため
平成三十年七月十九日
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究明はいまだをはらず御巣鷹に朽ちやはてなん五百のいしぶみ
平成三十年七月二十三日
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爛熟と腐爛のあはひ「すべて空」果実と髑髏となりあはせて
平成三十年八月三日
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忠魂碑こけむすまちの公園にゆあーんゆよーんぶらんこゆるる
平成三十年八月六日
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訃報告ぐる使者のごとしも目を伏せて受胎告知の天使ガブリエル
平成三十年八月十一日
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仕上がりに雑穀ぱらりふりいれて火をとめにけりミネストローネ
平成三十年八月九日
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タンクトップの肩の日焼けのまぶしけれものやおもふとひとの問ふまで
平成三十年八月十日
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巌とふあだなの弟子のみたびまで主をいなみしか鶏のなくまへ
平成三十年八月十二日
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露の世は露の世ながら愛執といはれてなほも子にしかめやも
平成三十年八月十三日
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単線の終点に立つ秋の暮れ来世は鹿に生まれかはらむ
平成三十年九月二日
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炎帝も颱風も去り秋高し白薔薇ひとつ咲きのこる庭
平成三十年九月十二日
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うつせみの人目をしげみ地下鉄のふた駅さきにまちあはす夜
平成三十年九月十三日
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青空のかけらあつめてきしごとく青き花咲く花野の夕べ
平成三十年九月十四日
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金色の稲穂のうへをふく風の秋たけなはとなりにけるかな
平成三十年十月五日
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薤上の露も干にけりなつかしき友の訃とどくはるのゆふぐれ
平成三十一年三月十二日
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ペンギンも飼育係りもなかりけり避難命令解除いくとせ
平成三十一年三月十三日
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