美津村さん
のうた一覧
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朝の霧段なし流れくる岬濡れゐる岩に汝とたちたり
平成二十八年八月二十八日
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波に乱れ漁火一列遠ざかり島の向ふに月出づるらし
平成二十八年八月二十八日
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森の木々照らして月の上りゆき夜更けて峡の遠き水音
平成二十八年八月二十八日
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午前三時汝のやすけき息聞こえ冴えたる月の窓に差し入る
平成二十八年八月二十八日
11
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離陸してしばらく機体傾けるままに雲を突き抜け昇る
平成二十八年八月二十八日
3
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薔薇の花垣にめぐらし君の住む家に静かに降る午後の雨
平成二十八年八月十四日
11
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混みあへる夜の電車の窓ガラスうつる互の眼差あひぬ
平成二十八年八月十四日
8
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何をしてゐるか雪降る午後八時灯点す君の窓に来たりぬ
平成二十八年八月十四日
5
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ひたすらに話しし君の心をばひとりになりて我が思ひやる
平成二十八年八月七日
5
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汝が去りしソファーに長き毛髪をわれは拾ひぬその柔ら髪
平成二十八年八月七日
8
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とつぎくる不安を言ひし君が姿バックミラーにまだ見えてゐる
平成二十八年八月七日
11
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窓に吹く風ありて月のかげつよし君を知りはやきひと月は経ぬ
平成二十八年八月七日
6
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ためらひつつ小さき声に言ひし汝の心を素直に我は喜ぶ
平成二十八年八月七日
7
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誤字のなき便箋三枚力強く書きある事のみな明朗なり
平成二十八年八月一日
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風邪ひきて我が寝てあれば暗みきて日暮の凍てし雪を踏む音
平成二十八年七月三十日
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ゆとりなき思ひに昂ぶり物言へば近きところに虹出でにけり
平成二十八年七月三十日
5
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経を読む僧のうしろに座りゐて父の忌今日を心ふさぎゐつ
平成二十八年七月三十日
7
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心通ふのみに交はり我が狭く生きゐる術も安心ならず
平成二十八年七月二十七日
5
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職替ればかはる悩みの我にあり夜更けて雨の雪となりゐつ
平成二十八年七月二十七日
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オートバイに出勤する道目の丸き乙女に朝々出会ひ会釈す
平成二十八年七月二十七日
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