山本菜月さん
のうた一覧
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赤き帯ゆらゆら揺らし舞う金魚祭りですくったこの子は天女
平成二十九年七月十九日
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たゆたう夜ソーダの泡は青に消え私は夜のさざ波を聞く
平成二十九年七月十九日
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残された 首輪をそっと抱きしめて 君の墓前に花を手向ける
平成二十七年十一月十五日
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春は夢 そこにあるのは幻か 命短し 戦え乙女
平成二十六年四月三日
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薄紅の 世界はとうに 壊れていて 僕は一人 花びらを食む
平成二十六年四月三日
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ゆびきりを してからあの日は とうに過ぎ 誰もいない場所で 桜だけが笑う
平成二十六年四月三日
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大粒の 泪はやがて 雪混じり きりりと当たり 儚く消えゆく
平成二十五年十二月十九日
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笑う君 まるで林檎 みたいだと 褒めたら 君は 頬を膨らませたね
平成二十五年十二月七日
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縁石の 上を渡って 笑う君 僕は不安になって 君の手を掴む
平成二十五年十二月七日
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蜜柑食む あの子の好きな 味だった 橙色は 君の色になった
平成二十五年十一月二十八日
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「あの人」と そうとしか呼べない 君は弱い 与えられた 優しさも忘れて
平成二十五年十一月二十五日
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廃線の 上を器用に 歩く猫 窓から眺める 僕は囚人
平成二十五年十一月二十五日
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ひとことが 氷柱のように 音をたて わたしの胸に ぶすりと刺さる
平成二十五年十一月二十一日
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逢魔時 薄暮の隙間 縫うように 駆け抜ける子は 昔みた夢
平成二十五年十一月十九日
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あったかいね ホッカイロ手に 笑う君 繋げなくなった手 あたしは流して
平成二十五年十一月十九日
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星々を ふざけて指で なぞりつつ 僕は夜空に 君の輪郭を結ぶ
平成二十五年十一月十七日
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微睡みの 中でも君に会えなくて 私は残った 首輪を抱える
平成二十五年十一月十六日
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澄み切った 空と君の目 影送り 天に昇るは 君を焼く灰
平成二十五年十一月十四日
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気怠げに 死にたいと笑う 君の影 僕は耳を塞いで 歌をうたった
平成二十五年十一月十三日
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君の骨 口に含んで 花見舟 それを棺に 眠りにつくの
平成二十五年十一月十二日
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