備前 大輔さん
のうた一覧
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生温き大風を避け てふてふと 老いた揚羽は狭庭に来たり
平成二十五年九月十五日
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空白の台風前夜に星は無し胡乱に響く遠い風音
平成二十五年九月十五日
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桜葉の虫食い穴を透かす陽は地に班目の秋影を写す
平成二十五年九月十四日
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昼下がり暑さに喘ぐ桜木にペットボトルの粗茶を捧げる
平成二十五年九月十三日
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華遠き尾張の鄙の山裾に弘法の池五つ六つあり
平成二十五年九月十日
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風の中 己が映画に涙して現の夢より老匠は去る
平成二十五年九月七日
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自分の作品を顧みない宮崎駿監督が...
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贈られた眼鏡の向こうは霧晴れて己が居場所を井の中と知る
平成二十五年九月六日
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長雨を抜けて降り立つ箱の庭鼻腔を満たす姫芝の香
平成二十五年九月四日
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朝夕と死人に捧げる赤に映え目裏に浮かぶ眼中の人
平成二十五年九月四日
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残り日を数え指折る夏の終ツクツクボウシと幼子が啼く
平成二十五年八月二十五日
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粘濁のタールのような焦燥に重ねた齢を数え夜を越す
平成二十五年八月二十四日
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夕餉にて我のみ黙し語らざる我があぎともて穀を潰せり
平成二十五年八月二十四日
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光無く汗蒸す部屋で伏す祖母の瞳は映さず孫の非さえも
平成二十五年八月二十四日
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水無月に祖母に乞われて幾度も氷求めて熱道を踏む
平成二十五年八月二十三日
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負う罪は「憤怒」或いは「暴食」か胃の腑にしみる丑三つの酒
平成二十五年八月二十三日
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日が始まって二時間で、7つの大罪...
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夕暮れに御霊集めた漁り火の鬼灯も陽も溶け混ざる朱
平成二十五年八月二十三日
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酒呑みの壮語は軽く暢気なり空聞きてただ皿洗いけり
平成二十五年八月二十二日
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潮風と六尺の白に身を染めた二見ヶ浦の十三の夏
平成二十五年八月二十二日
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実際に教師から手渡されたのは、白...
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才無くて魑魅にもなれぬ凡骨を虎の李徴は如何に評すか
平成二十五年八月二十二日
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先日、久しぶりに山月記を読み返し...
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泡沫になずむ書き手を待つ暫し戯曲に満ちた現を生きて
平成二十五年八月二十一日
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この場合、「うたかた」と「ほうま...
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