芦澤ノリコさん
のうた一覧
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夏の日の交通事故の瞬間は蝉の亡骸みたいな静けさ
平成二十五年七月二十五日
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馴れ合いの評価で他人を肯定しいいねいいねで埋まる液晶
平成二十五年八月四日
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身を焦がす想いが募れば本当に火傷になって火膨れていく
平成二十五年八月七日
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喧騒のBGMに紛らせるひとりの苦味も悪くないかも
平成二十六年六月十三日
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灯火の命を乗せたサイレンを鼓膜に刻む夜更けの涙
平成二十六年六月十五日
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青空を切り取っていく日常のかけらを集めたひび割れの日々
平成二十六年十月二十日
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知恵の実が甘く実ったあの夜に刻み込まれた黒い熱情
平成二十六年十月二十日
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頑なに握り続けた掌を溶かしていくのは君の体温
平成二十七年一月二十日
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上擦った声で名前を呼ばれたら好きってずいぶん陳腐な言葉
平成二十七年六月十三日
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ピカピカと光る氷の内側で絶命している咲きかけの花
平成二十七年十一月二十八日
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電話越しいつもと違った低音に呼ばれてわたしは特別になる
平成二十五年七月二十六日
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いい人で終わってしまう人だからどうか最後も笑ってほしい
平成二十五年七月二十六日
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いい人を好きになれないのはなんで...
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両想い相思相愛の歌なんか聴きたくないって有線のバカ
平成二十五年八月六日
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混ぜすぎて分離したのはチョコでなく私の心の好きか嫌いか
平成二十五年八月六日
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恋すると愛することを考えて愛したあとはどうすればいい
平成二十五年八月六日
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今はまだそしてもう無理そうやって無かったことにしたい夢とか
平成二十五年八月七日
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街角で謎の雑誌を売る人の恋物語が始まるらしい
平成二十七年八月十二日
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窓際の一輪挿にお似合いのあかしろきいろ数えたら恋
平成二十七年十二月十一日
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冷房の効きすぎている部屋にいて足元にいる七月の猫
平成二十八年七月二十四日
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一本の薔薇の花には刺があり咲くためにある三つの蕾
平成二十八年七月二十四日
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