只野ハルさん
のうた一覧
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何か足りない気がして粉薬のようにスティックシュガーを口に含む
平成二十三年五月六日
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深緑の若葉の雫点々とフロントグラスに跡を残す
平成二十三年五月六日
6
病院の駐車場の樹の下に停めていま...
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青くない黄砂の空の下失くしたものたちを不意に思い出す
平成二十三年五月六日
3
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血液の検査結果に異常なし伏せる日多い母と聞けども
平成二十三年五月二日
5
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病院の待合に居て付き添いの俯き黙すひとりとなりて
平成二十三年五月二日
4
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ビニールのクラゲ横切る月の面窓ガラスにも風打ち寄せる
平成二十三年五月二日
6
紫苑さんの 風はらみ白透きとほ...
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無意識に作った壁の内でいつもひとりと思うように
平成二十三年五月一日
1
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書き留めなかったその時のその思い忘れはしないそう思ってた
平成二十三年五月一日
2
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季節のない部屋を出て時が止まったままの親の家を訪ねる
平成二十三年五月一日
4
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早暁のホワイトアウトする窓に新しい哀しみが始まる
平成二十三年四月三十日
7
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質量保存則により僕を構成した原子が受け継がれる
平成二十三年四月三十日
3
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退化した乗員を乗せ恒星間宇宙船は進み続ける
平成二十三年四月三十日
3
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抜け出せない停滞空間の夜秒針は何を刻んでいる
平成二十三年四月三十日
3
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幸せだった(と思えた)頃の記憶を抑え込もうとしている夜更け
平成二十三年四月三十日
2
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つまらない日だと言っているくだらない日だと言っている今日もまた
平成二十三年四月二十九日
3
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連休の初日と言えどする事はいつもの休みと変わりはなく
平成二十三年四月二十九日
1
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痛っ食器洗いの左の小指コピーの束で切った昼一
平成二十三年四月二十八日
3
夕食の後片付けで昼の痛みがよみが...
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留守電に残せたのは名前とデンワしてダーリンだけアガってたから
平成二十三年四月二十八日
1
三沢左右さんの 真夏の夜マナー...
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ミドリガメまたミドリガメ池の面僕の足音気にせず浮かぶ
平成二十三年四月二十七日
4
随分近づくまで潜らなかった。 ...
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右肩をわざと濡らして俯いた傘の左に誰もいないよ
平成二十三年四月二十七日
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