千葉 甫さん
のうた一覧
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陽光をまともに浴びて閃光を放つものある窓の内から
令和三年九月十七日
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舗道打つ雨の弾みを見つめつつ暫し会話の外側に居る
令和三年九月十三日
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それぞれに声音異なる鴉らの声を交わしていて雲厚くなる
令和三年九月八日
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一人居る私の傍へ来た蝶の憩う姿を見ている時間
令和三年九月三日
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水平に蝶のよぎった窓の外陽はじりじりと照りつつ真昼
令和三年八月三十日
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扇風機の風来るたびの囁きを聞きつつ覚めている熱帯夜
令和三年八月二十五日
5
残暑厳しい。
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蝉の声絶えて日中は太陽の灼けつくような耳鳴りがある
令和三年八月二十日
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窓に来た月は赤くて大きくて今日も続いている熱帯夜
令和三年八月十六日
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道端の一樹の葉群いっぱいに響く一つの熊蝉の声
令和三年八月十一日
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コンピューター閉じて眼をやる窓の空いつか来ている月と眼が合う
令和三年八月六日
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突然の間近で響いた雷鳴の後は音無く雨続く午後
令和三年八月二日
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片隅の雲もすっかり消え失せてすっからかんに灼けている空
令和三年七月二十六日
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今日も猛暑。
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青空の雲を見ていた眼を閉じて漂って行く雲と一緒に
令和三年七月十九日
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ひそやかな今日の終りに降る雨の音の聞こえる窓辺に寄れば
令和三年七月十二日
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一昨日と昨日続いた雨晴れて今朝は雀の声の煌めく
令和三年七月五日
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床板の軋んだ音にはっとして目覚めた夜半の月の明るさ
令和三年七月二日
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眼の隅に捉えた影は卓上に立つ空瓶の映った私
令和三年六月三十日
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言われればそのような人が居たことの記憶の還ってくるゆっくりと
令和三年六月二十八日
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コンピューター閉じて暫くこの夜の残る時間の過ぎるのを聞く
令和三年六月二十五日
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異次元へ吸われるような感覚の束の間あって眠気は失せる
令和三年六月二十三日
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