千葉 甫さん
のうた一覧
(カテゴリー:恋愛 並び替え:新着順)
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所在なく降る雨の音聞いていて爪を切らねばならぬと思う
平成二十九年五月六日
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切り抜いておく筈だった朝刊の記事思い出す眠り待ちつつ
平成二十九年五月五日
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パレードの予定時間の終る頃雨の上がって陽の射してくる
平成二十九年五月四日
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この朝も来る鳩の声聞いている覚めて意識の晴れてゆくまで
平成二十九年五月三日
10
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暮れ際の空を映して解体の家の跡地にある水たまり
平成二十九年五月二日
12
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折々に屋根の端から青空の風に出てくる鯉幟の尾
平成二十九年五月一日
7
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留守電に声の入るのを待っていた電話の何も言わずに切れる
平成二十九年四月二十八日
8
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風の来て日陰の塀に這う蔦の束の間伸びて陽ざしに触れる
平成二十九年四月二十七日
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朝刊を入れて静かに去るバイク暁前のまだ闇の刻
平成二十九年四月二十六日
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春風を行く自転車に茹卵のように光っている膝頭
平成二十九年四月二十五日
7
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覗きこむ部屋には誰の姿もなくテレビの声のあるいたずらに
平成二十九年四月二十四日
4
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自らの影を踏みつつ下りて行く真夜中過ぎの階段軋む
平成二十九年四月二十一日
8
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春風がふわりとめくるカーテンの外を光って行く白い蝶
平成二十九年四月二十日
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悲しみは寂しい思いに和らいでゆきつつ胸の奥に棲みつく
平成二十九年四月十九日
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段ボール箱で送られてきたものの半分近くは詰物の紙
平成二十九年四月十八日
7
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こちらから歩み寄らずにあちらから歩み寄らずに交わり絶える
平成二十九年四月十七日
8
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解体の家の跡地に蹲るブルドーザーに夜の雨降る
平成二十九年四月十四日
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張られたるシートの内で半世紀見慣れた家の解体の音
平成二十九年四月十三日
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木の下を過ぎる少女のてのひらに下りる桜の花びらひとつ
平成二十九年四月十二日
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乱舞する鴉の群れの空の下灯点る窓の二つか三つ
平成二十九年四月十一日
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