千葉 甫さん
のうた一覧
(カテゴリー:恋愛 並び替え:新着順)
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更けてゆく夜の路傍にある影の一つ動いて黒猫となる
平成二十九年五月三十日
13
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ばっさりと斬首のようにチューリップの花落ちて茎の先端光る
平成二十九年五月二十九日
8
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決断が来たのは一足遅かった機会は既に背を見せている
平成二十九年五月二十七日
5
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持っていた時間あっさり失って思案半ばの私の残る
平成二十九年五月二十六日
4
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出て行ったから窓閉じた筈なのに蜂の羽音のまだ部屋にある
平成二十九年五月二十五日
5
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塀の上に大きな猫の腹這ってときどき窓の内に眼をやる
平成二十九年五月二十四日
5
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折々の花を咲かせた人逝って荒れたる庭に草の花咲く
平成二十九年五月二十三日
8
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恐竜が首を伸ばしているようなクレーンの見える屋根の間に
平成二十九年五月二十二日
7
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解体の家の跡地に生え出した草の緑の見る見る増える
平成二十九年五月二十日
8
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そこにあった家の解かれて長々と地上に伸びる電柱の影
平成二十九年五月十九日
10
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振り仰ぐ空に微粒の雨あって顔に痺れのような感触
平成二十九年五月十八日
4
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遠ざかる車のリアー・ウィンドウに眩しくはない夕陽の映る
平成二十九年五月十七日
4
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まとまらぬ思いと共に寝転んで見つめるほとんど動かない雲
平成二十九年五月十六日
6
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滑らかに髪靡かせてジーンズの脚の長くて風を行く人
平成二十九年五月十五日
6
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街灯の明りの下の真夜中の舗道に跳ねている雨の粒
平成二十九年五月十三日
6
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人通り車の通り跡切れたるときをよぎって行く蝶の影
平成二十九年五月十二日
5
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今日はもう売り尽くしたか豆腐屋の車の静かに追い抜いて行く
平成二十九年五月十一日
6
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見慣れたる笑顔なれども晴れわたる五月の風の中で耀く
平成二十九年五月十日
7
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三時間超える映画を観終って陽の傾いた現実へ還る
平成二十九年五月九日
5
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クレーンの先より垂れているフック風に吹かれて昼休みどき
平成二十九年五月八日
6
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