千葉 甫さん
のうた一覧
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ピーっいう音に続いて伝言の入らないまま電話は切れる
令和元年八月二十八日
1
またセールスの電話か。
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すぐ傍に座った人への一瞥の記憶は肌理の美しい頬
令和元年八月二十六日
3
一瞥なので記憶の中ではさらに美化...
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変らずに来る売り声は七年間同じ録音流しているか
令和元年八月二十三日
3
黄昏前後に来るオキュウト売りの声...
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影を見て思い途切れて眼をやった窓の外行く揚羽の光る
令和元年八月二十一日
5
残暑厳しい。
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カーテンを透して見える陽のあたる道行く人の馴染みの歩幅
令和元年八月十九日
6
いくらか凌ぎよくなった。
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何気なく眼をやる壁の写真から常に私へ来ている視線
令和元年八月十六日
7
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遠くから見つけてくれて手を振ってくれた幸せあったあの夏
令和元年八月十四日
7
立秋過ぎても酷暑。
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一頻り轟いた後音絶えて今年の花火大会終る
令和元年八月十二日
6
今日も熱帯夜。
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間を置いて外壁を打つ音あって覗いてみても風と会うだけ
令和元年八月九日
5
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トイレから戻って見下ろす真夜中のシーツをあるいている黒い蜘蛛
令和元年八月七日
3
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マウス持つ指を休めて近づいて来るサイレンは過ぎるかと待つ
令和元年八月五日
4
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危うくもバランス保って仰向けに倒れなかったと日記にしるす
令和元年八月二日
3
冷や汗いっぱい。
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再びの眠りの来るのを待ちながら何時か眠って夢より覚める
令和元年七月三十一日
5
寝苦しい熱帯夜。もう眠りは来ない...
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この道は少し傾斜のあることを感じて下る風に押されて
令和元年七月二十九日
6
いつもより早足となる。
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サイレンの途切れて停まる救急車を見に出る者らの無い灼けた午後
令和元年七月二十六日
3
今日も酷暑。
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イヤホンに満ちてくる曲聴いている私の周りは音の無い夜
令和元年七月二十四日
5
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光りつつ窓の外行く草の絮見えなくなるまで互いに無言
令和元年七月二十二日
5
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争いの猫の鋭い一声に目覚めて深夜トイレへ起きる
令和元年七月十九日
4
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カーテンを押して入って来た風に思い途切れて窓に眼をやる
令和元年七月十七日
4
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眼の覚めて闇に聞こえる呟きに耳を澄ませる雨と知るまで
令和元年七月十五日
7
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