鍬乃呑さん
のうた一覧
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蒸し鶏の冷やし固めた脂すら陽に輝いて少し汗ばむ
平成二十八年五月三十一日
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米だけの吟醸に酔いお薬に酔って奏でた音楽を聴く
平成二十八年五月十九日
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オルガンの音にリバーブをかけて跳ね駈けるドラムと戯れている
平成二十八年五月十九日
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何事か話すばかりの筋力も無くなるほどの日々に抗う
平成二十八年五月十九日
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悲しみも怒りも金に紐付いて麻痺をしたくて酒を贖う
平成二十八年五月十五日
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そうかまだ思い通りに人生がいかず目蓋に粉瘤が出る
平成二十八年四月三十日
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湯豆腐が冷めていくのが悲しくて殊更箸を避けて飲んでる
平成二十八年四月二十六日
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舌打ちのように咀嚼をする人に囲まれながら湯豆腐を食む
平成二十八年四月二十六日
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日本酒に意志がほぐれていく様を見つめながらに酒を飲んでる
平成二十八年四月二十六日
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新参の店にひとりで座りながらメニューを睨めて独酌をする
平成二十八年四月二十六日
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モツ鍋の甘い脂を噛みながらビールを喉に掛け流してる
平成二十八年四月二十六日
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第三のビールと安いワインとを混ぜてひとりで飲んで楽しむ
平成二十八年四月二十五日
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もう少し飲みたくなればもう少し食べたくなるし夜は長いし
平成二十八年四月二十五日
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百歳の記念に炊いた赤飯を酒のついでに飲み下してる
平成二十八年四月二十五日
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なんともはや漠然として酒を飲み続けて夜を見送っている
平成二十八年四月二十四日
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他愛なく酔えば聴きたくなる歌の抒情にひとり微笑んでいる
平成二十八年四月二十三日
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天ぷらのこごみは塩で千切りのうどは酢味噌で春を飲み干す
平成二十八年四月二十三日
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酔いながら神をことさら貶める僕を笑って母は見ている
平成二十八年四月二十三日
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家移りし仕事終わりに脱ぐ服もかける場所なく横たえている
平成二十八年四月二十三日
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満腹にならずとも良い栄養は十分だとか言われましても
平成二十八年四月二十三日
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