南 骸骨さん
のうた一覧
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ショール掛け送り出したる母の首振り返らないと知りつ手を降る
平成二十四年十月十四日
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この香り詠えずにいた秋重ね見上げるほどの丈になってた
平成二十四年十月十八日
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金木犀さん抵抗し過ぎてごめんなさ...
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その笑みの回数分だけ刻まれし目尻の皺の深きまで吸い
平成二十四年十月十九日
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パパ真似て大盛うどんを頼む子を諌めぬママの二の腕揺れる
平成二十四年十月二十一日
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水が飲みたいと告げながら絶えた君湯飲みはこんなに重かったっけ
平成二十四年十月二十九日
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着られなくなったスーツを掻き出して棺桶のごと蓋閉ざしたり
平成二十四年十一月三日
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痩せた手が握り返せり道行けば無風の街にクラクション鳴る
平成二十四年十一月十四日
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捨てられたテレビに付いてる赤札の赤も薄れて枯野に埋まる
平成二十四年十一月十七日
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隣人が故郷品を持ち寄りて世間話の終いに「へば」と
平成二十四年十一月十七日
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なんか訛りが戻っちゃうって羨まし...
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耳掻きの先にへばりついているさっきまでの僕が邪魔になってる
平成二十四年十二月一日
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宙のケロイドに似た天の川我だけが知る星が或るかも
平成二十四年十二月二日
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宙(おおぞら)
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履歴書に喫煙の有無記したるこの同僚とはきっとうまくいかない
平成二十四年十二月四日
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同僚(ひと)
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剥がされたかさぶたの裏まだ残る罪の培養痕たる痛み
平成二十四年十二月五日
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封を切るスティックバーの粉が舞い深夜は俺が数人はいる
平成二十四年十二月五日
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夜毎多重人格の私
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娘嫁き我姓は途絶えたるものの受け継がれるは耳の系譜か
平成二十四年十二月九日
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福耳の家系です
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挑戦に挑戦重ね粉吹きの干し柿になぁれ皮剥き半日
平成二十四年十二月十日
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今年は何個成功しますことやら
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振りし手はミトンに包まれ不器用にサヨナラをする無人駅にて
平成二十四年十二月二十二日
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広島で被爆と書かれし台帳は失語の君より雄弁な過去
平成二十四年十二月二十五日
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荒らされたごみ置き場よりこぼれたるパックに透ける歪んだ街ゆく
平成二十五年一月四日
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入院で長期休みとなりし君桜桜は散り始めたよ
平成二十五年三月三十日
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