南 骸骨さん
のうた一覧
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入れ歯抜き洗わんとする我に向き「私の頭蓋が抜けた」というひと
平成二十四年十月十八日
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石英の濁りし辺りを指で撫で安山岩を疑して笑む君
平成二十四年十月十八日
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くすりみず震えし口が作りたる波紋にざわめく今日の途中か
平成二十四年十月十九日
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都会にて餓死の一報知りたればいつかのカレーが輪郭を消す
平成二十四年十一月十一日
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夜もすがらホストは声を張り上げてヒト科ホストも雑食変種
平成二十四年十一月十二日
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ペン先の埃を拭い標したる遺言に似た料理のレシピ
平成二十四年十一月十五日
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卵焼く油の音につられたかいつもに増して音痴な鼻歌
平成二十四年十一月二十五日
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或いは今ケセランパサランなるものの浮遊に付き合う12月1日
平成二十四年十二月二日
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額へのキスは静かに「愛してる」髪の隙間に昨日の喧嘩か
平成二十四年十二月八日
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燕の巣支えの板は新しい取り壊しの日メールで受ける
平成二十四年十二月十二日
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七匹の野良と住みたる家の隅埃の厚みは圧されし歴史とか
平成二十四年十二月十四日
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歴史(とき)
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わがままを通して逝った老人看とり「ほんとにどもねっ」懺悔に聞こゆ
平成二十四年十二月十四日
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老人(ひと)
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なんかレーザー発する目をする政治家頬の赤身に隠すものある
平成二十四年十二月十七日
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パープルもツェッペリンさえ知らぬ娘と手を繋ぎゆく星のない夜
平成二十四年十二月十七日
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手に余るみかん引っさげ「ただいま」はどや顔デビューの君がいっぱい
平成二十四年十二月十八日
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でかした!!
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緩やかに脱皮をしたる心なら欠伸のごとき油断吐き出す
平成二十四年十二月二十四日
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うろうろと生きて来ましてまた寒い季節を暫く楽しみますよ
平成二十四年十二月二十八日
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来年は100歳4人増えますが相も変わらず風呂掃除して
平成二十四年十二月二十八日
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後ろ手に蝶々結びエプロンは手招きす君がそそくさと直す
平成二十四年十二月二十九日
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お泊まりの姪っ子冷たい足を寄せ我の体温に期待せるか
平成二十四年十二月三十日
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