五穀米さん
のうた一覧
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焼き鳥を土産に買いて夕餉どき父を訪ねるただ会いたくて
平成二十四年八月十九日
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容赦なき日差しも懐かし窓からの風冷やかな九月朔日
平成二十四年九月一日
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我が影に鬼神の過去の慟哭の名残を見たり我もまた鬼
平成二十四年九月二十八日
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一度だけ言葉はことりと身の内を離れてあなたの胸に届きぬ
平成二十四年十二月二十四日
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花愛でて生きたしなどと思えどもパンを求める日々の暮らしは
平成二十五年二月四日
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中央線発ちてまた着く聖橋オレンジの色雨に冴えゆく
平成二十五年二月十八日
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歌という口に優しき韻律に苦さ充分盛り込みたしと
平成二十五年三月十七日
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キャンバスに白を置きたるそのときはすでに紺色で埋まりたるとき
平成二十五年四月十五日
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性質の違うふたつの存在の手を結びたる世界は数多
平成二十五年七月八日
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山を見に行かんと思い立つならば支度容易きわれも山人
平成二十五年十月十九日
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少年を恋しているかの心地する昔のひとの名を見つければ
平成二十五年十二月二十八日
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生き抜くと誓いしのちの五十代脱力軽快七月尽きて
平成二十六年七月二十九日
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山の端に陽の落つるとき寄宿せる風呂に憩ひぬ夏の清らを
平成二十四年七月二日
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誕生日には水族館へいで行かん小さき都心の水に抱かるる
平成二十四年七月三日
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なりわいは収支勘定わが父の借りても貸してもボケてはくれず
平成二十四年七月十四日
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渋滞の果てなる南アルプスは夕景のみが厳かに見ゆ
平成二十四年七月二十九日
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バイブルの外伝のごと花伝書を書棚に置きて花は白百合
平成二十四年八月十二日
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早朝にミューズの足音聞こえしを誰かに話してみたき立秋
平成二十四年八月七日
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今日からは山の絵一枚仕上げんと計画帳の余白眺める
平成二十四年八月十四日
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秋来ぬと目にはさやかに行く雲の様子を変えて挨拶したる
平成二十四年八月二十九日
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