もぢずりさん
のうた一覧
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向日葵はわれらが標あてどなき母もつ少年じつと見上げし
平成二十六年六月十八日
5
母が植えておいたのだと思って見上...
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はなびらのやうなる月を恋ふのやら秘かにも立つ夜の向日葵
平成二十六年六月十八日
6
夜見るひまわりは、まるで月を眺め...
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常の風台風にも耐えわが与ふ少しの水を待つひぐるまの
平成二十六年六月十八日
2
三メートルにもなるひまわりの垣根...
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逝き果ててやつと向日葵どつと植ゆ稀代未聞の垣根六尺
平成二十六年六月十八日
2
ひまわりは特別な花。記憶の庭に高...
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階段を駆け上がりゆく紅顔の子の後ろ影永別の駅
平成二十六年六月十八日
4
1996年だ、それから三年近く会...
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宝子の最後の写真をつくづくと美しと思ふ古りし日のまま
平成二十六年六月一日
7
昔、いつか甥っ子ができてこのひと...
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かの盛夏悔やみて余りあるものを「予見できぬ」と言ひ訳なほも
平成二十六年六月一日
1
自死者3万人の年だった。そんなこ...
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わが願ひ君に会うことのみなるについでの如く為してしまひぬ
平成二十六年五月三十一日
1
説明しがたい。 自分の意を通す...
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暑さゆえ白装束にて訪へば「ああお母さんですね」家主の言ひき
平成二十六年五月三十一日
2
まだ君が生きている界隈を歩いた。...
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返事無く会ふを諦め去りしドア炎暑の東京最後のチャンスを
平成二十六年五月三十一日
2
何故か、君の部屋に立ち入るのをた...
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新月の月命日はあしたとて梅雨明け夏日夕立を待つ
平成二十六年五月十七日
3
偶然に新月となった ふさわしい...
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苦しくも充実求め生きし子の無一物にて残す白骨
平成二十六年五月十七日
7
その生き方と、その面影とはよく一...
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春の日に届きたる文はつこひの人の婚汝が基喪はる
平成二十六年五月十七日
0
その影響がどれほど作用したのか、...
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ひたすらに澄みし声なほ耳にある寡黙なる子がふいに歌ひて
平成二十六年五月十七日
8
急に澄んだ声がした、「だれ? 今...
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十年を遥か過ぎきて干涸びし世の浮き草の葉裏のその痕
平成二十六年五月十七日
1
彼の人生は進まず、私の人生のみ経...
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不意に濃く懐かしさ湧きて汝が気配なれば暦に由縁を探る
平成二十六年五月三日
4
秘密の数字をいだいている私 数...
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何待ちて時の流れを追ふて生く明日待つものも過ぎ去る道理
平成二十六年五月三日
2
たとえばテレビで新番組の予告とか...
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瞼閉ぢなほしずしずと湧きこぼる冬涙雨金柑に降る
平成二十六年五月三日
3
金柑の実がこがね色に丸い ちょ...
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生温き凩激し人絶えて乗り合ひバスを待つ月忌日
平成二十六年五月三日
5
ビュウビュウと空は鳴り バスに...
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悲哀より零れたる歌また掬ひ紐に結わえて立たせてぞ置く
平成二十六年五月三日
3
いつまで挽歌にこだわる、とおしか...
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