本間紫織さん
のうた一覧
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秘めた恋ばかりしているせい ひとり「開」を押す時ふるえる指は
平成二十四年四月十七日
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折りたたむ うで あし こころ 春めいた予感がここをノックするまで
平成二十四年四月十七日
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いつまでも開けられずにいる瓶の蓋ストロベリージャム静かに眠れ
平成二十四年四月二十九日
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かなしみの色を僕らは集めてる いつか誰かの空になるため
平成二十四年五月四日
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正解のカタチをさがす ふゆふゆと胎児に還るバスタブの中
平成二十四年五月四日
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虹を生むためには雨が必要で今日の涙もそういうことさ
平成二十四年五月五日
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呼吸ってどうしてたっけ 触れている肩が心臓みたいに熱くて
平成二十四年五月六日
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思いきりこぼしていいよ 満ちちゃった月のせいさ、と言ってあげるよ
平成二十四年五月七日
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知らぬまに胸に南京錠かけて消えてしまったような失恋
平成二十四年五月十一日
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一本の道がいつしか分かれても同じ空だけ見上げていたい
平成二十四年五月十三日
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鮮やかに染められてゆく信じてはならないものたちばかり綺麗に
平成二十四年五月十四日
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寂しさを寄せ合いながら耐えているよわい生き物たちにひかりを
平成二十四年五月十五日
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角砂糖ぽちゃりぽちゃりと甘くする 今のわたしに足りないくらい
平成二十四年五月十六日
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丁寧に排除されてくのはまるでグリーンピースみたいなあたし
平成二十四年五月二十一日
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傷つける傷つくことはわかっててそれでも伸ばしてしまう どうして
平成二十四年五月二十一日
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あと38万キロは離れてよきっと綺麗に光って笑う
平成二十四年五月二十二日
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足元を見る癖が付く心から求めるものは上にあるのに
平成二十四年五月二十三日
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つかまえてしまえば終わる恋だから目線で抱いて蝶になるまで
平成二十四年五月二十七日
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雨垂れができる過程を眺めては傷つくことを許されている
平成二十四年六月五日
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蓮の葉のように広がる雨雲に守られながら咎められてる
平成二十四年六月九日
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