想野さん
のうた一覧
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忙しく時に追われて歌を詠み 時もてあましてまた歌を詠む
平成二十六年十二月二十日
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若き日はべっぴんさんであられたろ前歯の欠けた老婆が笑う
平成二十六年十二月二十五日
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一人とて聴く者のなきこの思いそを歌にして更けゆく夜は
平成二十七年一月六日
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幾冬も隅に置かれし古スーツ虫に喰われて過去脱ぎ捨てる
平成二十八年四月二十日
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ただいまと頬赤く染め帰りたる君の瞳に雪山光る
平成二十九年一月三十日
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忘年も新年もなく一月も過ぎてついたち二月となりぬ
平成二十九年二月一日
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忘れ物! 駆け戻りたる君送る車は出さぬ親なればこそ
平成二十九年二月十七日
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昼下がり春めく日ざし露天風呂 見上げる空に飛行機の雲
平成二十九年三月一日
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子と同じ弁当を食む春休み桜咲くまでしばしの贅沢
平成二十四年四月六日
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延命のための手術はしませんと父に引導渡した我は
平成二十四年十月十四日
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月ごとに髪切りにいくそのたびに鏡の吾はまた老いていく
平成二十五年一月十八日
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春まだき睦月の雪を融かす陽にはや喜びぬ鳥たちの声
平成二十五年一月二十九日
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ささいなることで子どもを叱りたる朝のコーヒーひときわ苦く
平成二十六年一月九日
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為すことの無き日であれば我ひとり腹へるを覚え生きたるを知る
平成二十六年九月十七日
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師走なり喪中はがきがただ二枚カサリといいて届く夕暮れ
平成二十六年十二月三日
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ひと仕事終えて髪切り風呂浴びてかくてふたたび失業者となる
平成二十六年十二月十一日
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いつからか誰かのための人生を歩みはじめていまここにおり
平成二十七年四月二十七日
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優しさは想像力と教えらる愛なき国と闘う島に
平成二十七年十月十三日
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世の中のいろいろなことがうとましく水筒を持ち畑へと向かう
平成二十八年四月十九日
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月曜は自分にねじまきエンジンかける日 朝のごはんもしっかり食べたし
平成二十九年二月二十日
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