灰色猫さん
のうた一覧
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昆布出汁で あっさり炊いた 湯豆腐の 滋味染み渡る 師走の夕げ
平成二十七年十二月八日
28
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散っていく 枯れ葉が奏でる 旋律を 冬のベンチで ふたり聞いたね
平成二十七年十二月七日
24
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いかずちを 宿す杖より 行く道を 迷わぬ杖を ひとつください
平成二十七年十二月五日
27
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良き歌が なかなか浮かばぬ そんな日は 聞き手に回り 拍手を送ろう
平成二十七年十二月四日
33
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様相は 異形のもので あるような 永きを生きる 醜き大樹
平成二十七年十二月一日
25
近所の散歩コースにある樹齢四百年...
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繊細な ナイフを心に 忍ばせて 傷に怯えた 思春期でした
平成二十七年十一月二十九日
25
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清流の 苔生す岩を 食む鮎の 刻みし歯形の 逞しさかな
平成二十七年十一月二十八日
25
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静謐な 睡蓮鉢に 浮草と めだかが泳ぐ 我が家のみずうみ
平成二十七年十一月二十六日
31
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自分とは 何者なのか 問いながら 絵筆走らせ 描く自画像
平成二十七年十一月二十五日
25
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空き缶を 蹴とばしながら 帰る道 蹴っていたのは 自分の孤独
平成二十七年十一月二十四日
47
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いつの日か 滅びてしまう ものだから 人は魅力を 感じるのだろう
平成二十七年十一月二十三日
22
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焼き芋を ふたつに割って はんぶんこ 大きいほうを くれる温もり
平成二十七年十一月二十二日
30
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幾つだろう 確かに其処に 在ったのに 見出せなかった 美しさたち
平成二十七年十一月二十一日
27
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春風を あなたの墓前に 供えます 冬を越せずに 逝ったあなたへ
平成二十七年十一月二十日
28
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指先に 一瞬触れて 舞う蛍 出会いと別れを 教えてくれた
平成二十七年十一月十九日
27
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牛舎から 勝手に出てゆき 草を食み 勝手に戻る 賢い牛たち
平成二十七年十一月十八日
17
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眠れない 一人の夜に 包まれて 水の音色に 耳を澄ませる
平成二十七年十一月十七日
30
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一斉に 裏返される 答案用紙 文字書く音だけが 静かに響く
平成二十七年十一月十六日
22
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画用紙に 描いた卵が つつがなく ひよこになるまで 陽だまりへ置く
平成二十七年十一月十五日
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業を捨て とことん自分を 追い込んで 岩となるまで 滝に打たれる
平成二十七年十一月十四日
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