灰色猫さん
のうた一覧
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ご先祖を乗せては駆ける精霊馬いつか乗りたし茄子と胡瓜や
平成二十九年二月十三日
25
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雪凍る小股で歩く北国の人々に差す仄かな春光
平成二十九年二月十三日
27
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優しさの加減うまく分からずに傷つけあってばかりの僕ら
平成二十九年二月十三日
24
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掌で死んだ椿を包み込む若くに死んだ歌人を悼み
平成二十九年二月十三日
21
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干上がった古井戸の底滅びゆく蛙は海の恋歌歌えり
平成二十九年二月十三日
19
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いささかの病を抱える人たちが満員電車の苦行に耐える
平成二十九年二月十二日
36
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渦巻きのサザエの殻を耳に当て貴方を想う遠き潮騒
平成二十九年二月十二日
29
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魂を感光できる手巻き式カメラで君を写し撮る夜
平成二十九年二月十二日
29
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みずうみに港をなくし往航す笹舟ありし星のまにまに
平成二十九年二月十二日
27
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人去りし祭りの後のせせらぎへ金魚すくいの朱色を放つ
平成二十九年二月十二日
31
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碧色と心臓の音しか残らない深海潜るフリーダイバー
平成二十九年二月十一日
21
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吹けば飛ぶ駒に命を吹き込んで月光浴びる棋士は華やぐ
平成二十九年二月十一日
24
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苛立ちがあまりに激しくある夜は音楽という薬をのみこむ
平成二十九年二月十一日
21
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少しずつ海へとかえる流氷がかつて恋した氷河期の藍
平成二十九年二月十一日
23
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名を捨てて名誉を捨てて引き篭もる人間社会はもう歩きたくない
平成二十九年二月十一日
20
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少年の膝小僧に貼られたる絆創膏は勇者の証
平成二十九年二月十日
23
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美しい林檎をひとつかじるたび完成される天地創造
平成二十九年二月十日
20
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デマカセを積みあげ積みあげ流してもわたしのものにならないあなた
平成二十九年二月十日
18
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四十と六億年かけ恋をした海と月とが神様を産む
平成二十九年二月十日
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真夜中に開け放たれた理科室で仄かにひかる三角フラスコ
平成二十九年二月九日
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