灰色猫さん
のうた一覧
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人知れず消えたいけれどご近所に樹海がなくて困っているの
令和二年六月十九日
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帰らせていただきますと風呂敷にぼくを包んで家出する母
令和二年六月十九日
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ボタンとかネクタイだとか邪魔くさい人間なんて放棄したいぞ
令和二年六月二十日
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すこやかに生まれてくれた記念だと植えてもらった愛しい桜
令和二年六月二十日
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乱舞する水辺のほたる懸命に愛してるって光っているの
令和二年六月二十一日
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「もうこんな世界」と嘆く人形も人形なりに死ぬんだろうな
令和二年六月二十三日
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きんきんに冷えたポカリをひりひりと焼けた肌へと夏のしあわせ
令和二年七月二十日
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さみしげに交差点の真ん中で体育座りをしている幽霊
令和二年七月二十四日
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じゃんけんで君を負かした瞬間にすべての指は武器だと気づく
令和二年七月二十八日
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札束で頬をたたかれ生きていく気持ちよくって犬になりそう
令和二年七月二十九日
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もうだれも君を里子にしないから無理に良い子にしなくていいの
令和二年八月四日
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熊を食べ偉大な森の王となるどうか私を食べてください
令和二年九月十六日
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中沢新一さんの『熊を夢見る』を読...
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みどりいろ夏のお山はうるさくて雨が降ったら元気いっぱい
令和二年九月十八日
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見たものを感じたものをこの星の最初の人となって歌おう
令和二年九月二十一日
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草枕ひかめく月の肌ざわりあなたのようで伸ばす手のひら
令和二年九月二十八日
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月ばかり見つめていたら君ばかり浮かんできたよまた会いたいよ
令和二年十月一日
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お月さま壊してばかり僕たちを今も地球を愛してますか
令和二年十月一日
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ひっそりと月の小舟が沈んでる海へ乗り出す探査機かぐや
令和二年十月二日
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眩しさを知ってしまったばっかりに涙の粒が光のようだ
令和二年十月五日
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暗闇に囲まれたって手探りで次のページを彩る日々さ
令和二年十月五日
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