環さん
のうた一覧
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人々の集う四月の公園に銀杏の樹々の青々として
平成三十年四月二十二日
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紋白蝶に指さしだせば触れそうで触れない距離をひるがえり ゆく
平成三十年四月二十一日
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山吹はひかりを求め生い茂る枝のゆくえもさだまらぬまま
平成三十年四月二十一日
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冬の陽は地表をゆるく暖めてみないちように目を瞑る鹿
平成三十年二月十八日
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色づいた木の葉を透いて冬の陽は山茶花をあかるく照らしだす
平成二十八年十二月二日
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池の面に蓮の花びらとどまって静かに夏が終わろうとする
平成二十八年九月二十一日
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羽黒蜻蛉の翅おだやかにはためいて夏の終りを吸い込んでいる
平成二十八年九月三日
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アメンボは水の流れにさからって泳いでは同じ場所に戻って
平成二十八年九月三日
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しらじらと咲く百合の茎縫いとめて小さな蜘蛛が巣を張っている
平成二十八年八月四日
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あおあおと夏の蓮の葉かたむいて風のかたちを記憶していた
平成二十八年七月九日
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新緑のどよめく道をゆきながら小さく礼をしてすれ違う
平成二十八年四月二十九日
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蓮の葉は枯れかけていて軽ければ風の速さに煽られるまま
平成二十八年四月二十九日
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寒風に桜ほころびゆくころに 卒業、別れを惜しむことなく
平成二十八年三月二十六日
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いろいろな椿の花が咲いていてどの花もすこし傷ついている
平成二十八年三月八日
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冬の陽よ 雲に隠れてゆくまではあたらしい命が影を持つ
平成二十八年二月十日
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夏の色の消えゆく里に飛び込んだ枯葉の色をしてゐる蛙
平成二十七年十月三十一日
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青いところも愛しく思ふ秋の陽に銀杏並木は輝いてゐて
平成二十七年十月三十一日
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枯れてゆくコスモスの花たつぷりと花びらだけが潤つてゐる
平成二十七年十月二十日
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あざやかな色をのこして太陽がすこしだけ早く沈みゆくころ
平成二十七年十月二十日
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秋の陽はきめやかに差し楠の影に隠れてゆく人の影
平成二十七年十月十九日
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