花信さん
のうた一覧
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如来像の差し出すその手近いようで届かぬ私に平安はいつ来る
平成二十年十一月十三日
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熱残る深夜の庭をステージに虫歌うシンフォニー秋風誘う
平成二十年十一月十三日
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足元から体内震わすドラム音いつしか鼓動とシンクロしゆく
平成二十年十一月十三日
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倍音の満ちわたる堂とせみの声ひとつの季節がようやく過ぎぬ
平成二十年十一月十三日
5
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踏み切りはこの世あの世の境なり列車の背中見送り続けて
平成二十年十一月十三日
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きみになら差し上げましょう入場券大樹が切り取る影マイメッカ
平成二十年十一月十三日
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熱帯夜声聴こえずとも月のもと浮かび上がる影きっとふたりは
平成二十年十一月十三日
2
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神のみぞ知るはずだった生命の操作法暴く我らパンドラ
平成二十年十一月十三日
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くもの巣にとられとらわる我が身あり 行く道すでに決めているのに
平成二十年十一月十三日
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人と話すただそれだけのことだけで五感がふたたび世界を染めゆく
平成二十年十一月十一日
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秋晴れの空ももはや額の中ビルに囲われしこの中庭
平成二十年十一月十一日
5
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帰り際取りかえっこした腕時計わが肌にのみぬくもりを与う
平成二十年十一月十一日
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エレベーターホールと病棟分け隔つガラス扉は三十八度線
平成二十年十一月十一日
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天高く十六弦の音のぼりゆく知らぬ時代の景色を見せつつ
平成二十年十一月十一日
6
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暁のひかりよそそげ つゆしげき野を背に倒るるわたしに命を
平成二十年十一月七日
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てんじょうのたかきことにふと安心すわがたましいは何を望んだ
平成二十年十一月七日
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伝わって来るよ君の緊張が 背に隠し重ねた二人の手
平成二十年十一月七日
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歩道橋をわたりきらせてくれないの金色の空にたゆたう雲雲
平成二十年十一月七日
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