蕗子さん
のうた一覧
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何かやり続けなければ振り切れず捌いたイワシの眼は幾つ
平成二十四年二月九日
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その雑な物差し勝手にあてないで命がけでやる些細なこともある
平成二十四年二月九日
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鬼はそと 南瓜煮る火の静けさに外は寒かろ 食べてからお行き
平成二十四年二月三日
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新ジャガのその美しさ皿に映え私が三十路になったことなど
平成二十四年一月二十六日
5
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雪の日の今朝は町中共犯のような顔して言う「ゆきですね」
平成二十四年一月二十四日
6
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鍋焦がし 窓を開けをり 小寒の なんだか一人ぼっちの気持ち
平成二十四年一月六日
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凍星や身も暮れる様な心地して湯気たつものを買い求めたり
平成二十三年十二月三十一日
5
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小康を得て力抜き目を閉じて空腹感じることの幸せ
平成二十三年十二月二十八日
5
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もし憎しみ悲しみなどを装えば生など言葉あそびに過ぎぬ
平成二十三年十二月七日
4
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星ひとつてっぺんに持つ木のもとで地上は沈み長き夜を呼ぶ
平成二十三年十二月七日
4
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この者は加害者である鏡面のふたつ眼をもち瞬きせぬ者
平成二十三年十二月七日
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新しき黄の靴 箱に納まりて靴履くことが意味持つ日々あり
平成二十三年十月二十九日
5
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あす起きて新しい身体だったなら秋草摘みに行こ あした起きたら
平成二十三年九月三十日
12
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病すすみテレビを断った病室のラジオは見知らぬ島の気圧告ぐ
平成二十三年九月三十日
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神妙に点検をする「ハサミなし」(バルタンでない)エビフライにする
平成二十三年九月十七日
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憎しみが消えた跡には穴残りもうすぐ私がうまれた日がくる
平成二十三年九月十七日
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身の上を恥じなくて良い、と云う人よ言葉は杭のように刺さりぬ
平成二十三年八月十八日
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還らない波もあること知った朝宇宙の中のささいなる事
平成二十三年八月九日
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知らぬ間に野つ原にをり 人生を道などと云ふ人もあれども
平成二十三年八月六日
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片耳でひとの旅行の話聞く夏にも寒い国のあること
平成二十三年八月二日
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