うみさん
のうた一覧
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春の日の部活の指揮者が棒を振るクラリネットに耳をそばだて
平成二十三年三月十三日
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みずうみを吸い上げてまた落下する雨滴の電荷を測れ科学者
平成二十三年三月六日
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トラックはここで末切りしたらしい踏みしだかれた草の亡骸
平成二十三年三月六日
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北風にすすきざわめく夜の沼通奏低音が鳴り止まない
平成二十三年二月十八日
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春の日の校舎の壁に背をもたせ共に吹きあったあの音を恋う
平成二十三年二月十八日
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杠葉尾の8パーミルの坂道を右に左にゆらゆらくだる
平成二十三年二月九日
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二十二年使わぬピアノ 荒れ狂う音を仕留める調律師の指
平成二十三年二月九日
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西の日に遠くへかすむ山並みをかじかみながらしっかりと見る
平成二十三年二月九日
3
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夕暮れの校舎のチャイムを聞きながら誰もいないバスを走らす
平成二十三年二月九日
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切り立った採石場の山際をセメントまみれのミキサーがゆく
平成二十三年二月九日
6
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あの人と話しているとやってきた黄色いバスがそのドアを開けた
平成二十二年十二月十四日
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終電が雨のかなたへいつまでもひとりベンチに座っていたい
平成二十二年十月三日
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去年の百首詠の歌の焼き直し。
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終電を待つ列に見えかくれする黄色い袖を見送る人あり
平成二十二年十月三日
2
去年の百首詠の歌の焼き直し。
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街かどを流れる水に手をのばしはるか箕面の山山を想う
平成二十二年八月二十三日
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新しい音つくるためみずうみに樫の鳥居を突きたててみる
平成二十二年八月二十二日
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ドルチェメンテ トランペットの矛先をあいつに向けた放課後の庭
平成二十二年八月二十二日
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みずうみをゆく船があり真昼間のハンドル握る手は熱いまま
平成二十二年八月二十日
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対岸の真紅がくすむ観覧車琵琶湖大橋に夏の日は照る
平成二十二年八月二十日
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焼き栗の甘いけむりの駅前の石畳が濡れていたひかり
平成二十二年八月二十日
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