京さん
のうた一覧
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玉ねぎがスライムに見えたのはそういえば初めてでした、秋の日
平成二十三年十月十八日
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机に耳あてて工場の音がするあとすこし目を閉じていていい
平成二十三年十月六日
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すこしだけ拗ねた子供用のギター弾きわたしは子供の顔をしている
平成二十三年十月一日
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袖口の灰の毛糸を引き出して放てばシュガーコーンの渦巻き
平成二十三年十月一日
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日本橋(おおさか)に降り立つ足はどこへでも帰りたがる
平成二十三年九月二十七日
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地面にいちばん近い靴を選びどこまで行きたいのかと尋ねる
平成二十三年九月二十五日
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煙突のけむりと雲の区別がつくようになってしまって泣いた
平成二十三年九月二十四日
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まるで歌うみたいに左側のドアが開き続ける朝のビニール傘
平成二十三年九月二十一日
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通勤路で釣りしてるひとの数かぞえとどまる元・少年少女たち
平成二十三年九月十九日
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明日のサラダを冷蔵庫に入れ眠るすこしずつひえてゆく世界よ
平成二十三年九月十八日
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照準を定めてどこかのスイッチを切るそんなふうにして生きている
平成二十三年九月十五日
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酸化した椿油の匂いラフォーレ原宿・松山と唱える
平成二十三年九月十三日
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もういない猫の話をするきみとここで会うのははじめてでした
平成二十三年九月一日
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会うと時空がゆがむ人たち十年前と十年後にはさまれている
平成二十三年八月三十一日
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夜はわるいことばかり考えてしまうのを忘れていた きみの苗字は
平成二十三年八月三十一日
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眠いままいちじくの食べ方を調べ安心して手でふたつに割る
平成二十三年八月三十一日
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ジョナサンに着てったワンピースで横になる公衆電話の数ひとつ
平成二十三年八月二十二日
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五五分ぴったりに現れるあなたの後れ毛が火のように揺れ
平成二十三年八月十六日
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あいこしか出せないふたりではどこへも行けないねとあきらめて寝る
平成二十三年八月十五日
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いつか家族だったことがあるのかもしれない赤いヨーヨーを割る
平成二十三年八月十四日
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