御宿川蝉のお気に入りの歌一覧
うすべに
雲隠れ 闇の嵯峨野の小夜しぐれ 庵の主を待つふじばかま
5
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恣翁
飛ぶ雲の慌ただしきに 一陣の風狂ほしく落ち葉を巻けり
18
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うすべに
青空にしぐれを連れて来る雲の 速さにとまどう上弦の月
7
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へし切
色もなき 心に浮かぶ思い出に 影踏むばかり 恋し君はも
19
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きくゑ
日の暮れるまぎわの空にあきぼしの遠きに馳せるまばゆきひかり
11
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ひげじぃ
耳鳴りの響もす夜具に掻いつきてかのひとを見ゆ浅き枕に
13
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朝比奈
遠方の友訪ねくる冬の日のこよなく美味き酒の温さよ
15
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KEN
あるなしの 恋心かは 梨の味 甘さの後の 酸いの仄かさ
12
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茂作
閑さが主なるベし山寺に 紅葉盛りて賑はひにけり
15
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うすべに
庭覆う落ち葉をたたく音きけば 夏がこいしい秋の夜の雨
10
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艸介
今日の雨に散るもみぢ葉を拾ひては 暮れゆく秋をしばしとどめむ
14
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萱斎院
ひとかたへ寄る辺なきみに吹きまどふ あきやる風の呼ぶしぐれ雲
8
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うすべに
すずかけの落ち葉追いかけ坂道を登る眼のさき もう冬の雲
7
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横井 信
立冬の川を流れるひとひらの落ち葉のつなぐ新たな一歩
13
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コタロー
この道は寂しかりけり櫻木も落葉となりて人こそをらず
9
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へし切
十一月の 今日は冬立つ日にならむ 朝に露おく庭の石蕗
21
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恣翁
悲しびを帯びて陽の落ち 大地こそ 物思ひにし沈みたりけれ
15
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リクシアナ
伐採の谺渡りて天高し出征記念の七本の椴松
9
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朝比奈
彼方のビルの姿も濃き霧の中に翳りて冬立ちぬ朝
19
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詠み人知らず
背骨張る 祖母の姿勢は 美しく 耳の聞こえぬ 素振りも見せず
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