御宿川蝉のお気に入りの歌一覧
KEN
赤らみて 何を語らむ この一夜 東風荒ぶ間 月の爪影
11
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滝川昌之
人として詫びることしか出来なくて遠い戦地で死にゆく子らに
14
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しきしま
などさしも慎ましげなる梅の花桜なき間は汝が春なるに
5
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しきしま
天の原真朱に染めて朝日照るなどか涙の頬伝ふらむ
6
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茂作
すべり台また繰り返す幼子の 顏に殘ったさっきの泪
13
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飛和
冬を越へ私のこころに咲く椿 寒さを吸つて燃えよくれなゐ
7
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飛和
苔庭の緑がひかる理由はね 宇宙がちょっぴり混ざっているから
8
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飛和
雲間から光差し込む宗教画 誰が人生もそのやうにあれ
3
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飛和
自分へのご襃美ひとつ選ぶなら琵琶湖疏水の貝殼がいい
6
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飛和
下描きは上手くいっても彩色ははみ出し滲むそれでも止めない
4
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飛和
行き場ない雨が独りの部屋に降る「ごめんなさい」を噛みしめたまま
8
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しきしま
おぼろ月競ふ桜は未だしや光侘しくつぼみ暖む
5
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猫谷しゅう
たましいを吹き込むように画家は絵の瞳にひかり一粒のせた
7
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滝川昌之
海鳥に過ぎた厳しさ癒しつつ桜貝など寄す春の海
11
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高松 蓮
下手くそな 大道具ばりに 真っ青な 空に 巨大な綿雲 ふわり
5
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望月薫
黄緑の鎧を脱いで朝陽へと白い翼を開く木蓮
9
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しきしま
防人に父立つ子らの涙川かく美しくまた辛きとは
5
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横井 信
昇りくる朝のひかりに背を伸ばし踵を鳴らす春の玄関
10
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アガサ
行きずりの情け取り持つうたの輪に むごい世情をしばし忘れむ
6
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横井 信
朝靄の春の田んぼの畦道をしずかに走る古い自転車
7
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