Chicoのお気に入りの歌一覧
潮月繁樹
夢の濱 ざあざあざわと 波寄せば 汗ばむ程に 梅雨まぢかなり
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潮月繁樹
戀ひ焦がれ 姫 掠奪す 水軍ぞ 波間に立ちて 乞ふ 瀬戸の月
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潮月繁樹
夢ありき 打ち碎かれて 道半ば 遲蒔きの種 また 植ゑてみる
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潮月繁樹
夕凪の茣蓙となりたる瀬戸の海 テトラポットで獨り立ちみる
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潮月繁樹
人と人 擦り切れ果てて 白砂に 自敍傳なども 書きたくなる日
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潮月繁樹
錢龜が 干からび眠る 道路際 縁日終へて 來る初夏の風
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潮月繁樹
初夏薫る 五十と七の 朝迎へ 齒醫者に寄りて 仕事始める
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潮月繁樹
風薫り 瀬戸に浮かびし 耕三寺 母の手を取り 訪ねて五年
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潮月繁樹
キッチンの グラス壞した 下手人が 歸つてきたよ 氣まぐれのタマ
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潮月繁樹
主なき 故郷の家は 原始林 花梨の咲きて 我 待ちわびる
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潮月繁樹
魂を 殺してまでも 得たものは 閻魔烙印 人間失格
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潮月繁樹
逃避行 時空を越えて手にいれし魔法のランプ君への扉
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潮月繁樹
引き籠る 娘バイトを 始め春 泣きて二夜で 笑ひて一夜
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潮月繁樹
千早振る 神をも超えし 原子の子 操り餘し 邪惡權化と
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潮月繁樹
七色の 移りて變はる 腦内に あがらぬ雨なく 初夏待つ蛙
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潮月繁樹
戲れの 我も彼方も非ある 夢の中 心觸れれば ほら!ねこぢやらし
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潮月繁樹
人智れず 川面に搖れし 華ありて 流れて清く 咲き誇らむと
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潮月繁樹
調合が 絶妙なりの 三杯酢 朝の食卓 すつぱく甘く
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潮月繁樹
搖り籠に手を添へ搖らす母の手は日差しにとける淡き輝き
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潮月繁樹
栞あけ そよ風吹ゐて 君がゐて 僕が寢轉ぶ 青空文庫
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