詠み人知らずのお気に入りの歌一覧
恣翁
炎立つ君が下萌え掻き分けて 尖れる核を舌で転がす
17
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恣翁
窓ゆ入る湿っぽき風 旅人に 未だ回ぬ土地の空気知らしむ
15
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恣翁
地下牢のやうなる露天の湯船より 銃弾のごとく飛ぶ河鵜見る
20
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恣翁
掌に掬ひつる湯を 透かすがに見入れり 顔の高さに翳し
18
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恣翁
湯の面の青き松葉を 掬はむとすれども逃げぬ 鼓豆虫のごと
18
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恣翁
刺青のごとく 湯の面の松の葉の 湯上りの腕に貼り付けるかな
14
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恣翁
変はりゆく谷間の日に 衒ふがに オオルリの声よく通りたり
14
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恣翁
黒き風の渡れば 揺れ出す夾竹桃 柱時計の振子のごとし
17
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恣翁
丈高き少女は夏を匂はせて 向日葵のごと窓辺に立てり
40
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恣翁
縁側に忘れ置かれし灰皿ゆ 吸ひ止しの煙草 真直ぐ燻れり
13
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恣翁
脳幹に 蜂の唸りを感じつつ 影で歩道を汚して歩く
16
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恣翁
背の笠に夕陽を浴びて 青山に帰りたるかな 僧形一つ
26
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恣翁
東京を やたらに真似る地方都市 如何で 悲しく気取らむずるか
13
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恣翁
唇を紫色に染めながら プールに戯るる少女ぞ愛しき
21
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恣翁
揺蚊の水打つ度に 映りたる月の面に 小皺寄りけり
30
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恣翁
捨てられて 骨組み晒す船腹に 男の思い切り飛礫打ちけり
18
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恣翁
湘江は北流すれど 南の地へ流謫の憂き身 帰る日来るかは
16
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恣翁
明け遣らぬ空に 新聞配達のバイクの音に早 蜩の声
26
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恣翁
間の抜けて聞こゆる 綿に包むがに くぐもる音の遠花火かな
23
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恣翁
じりじりと照らす日差しに しんとしたる気を削ぎ 蝉の睡たげに鳴く
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