ゆりこのお気に入りの歌一覧
泉白水
ただいまと電気の消えた玄関に二人並んで待つ靴に言う
11
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泉白水
うつかりと傘を忘れた振りをしてあなたのもとに滑り込めたら
6
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泉白水
一日の終わりに落ちる雨粒はただひっそりとその日を洗う
14
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泉白水
三センチ開いた窓からおやすみと風が鳴る夜に故郷を思う
18
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朔夜
思わず口から出たごめんなさいはいったい誰に向けたものだろ
3
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らぷみ
高らかに歌えや歌え歌人たち「私は確かに今、ここにいる」
13
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中川 春
枕にも言いたいことはあるだろうたとえば泣くなとか濡れたとか
7
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睦月くらげ
達筆の封書を入れてじいちゃんが両手を叩くポストの前で
14
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睦月くらげ
あなたから声がいいねと誉められて日記に記す将来の夢
2
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睦月くらげ
ともかくも林檎の夏は忙しい「飴にならなきゃ」「パイにならなきゃ」
8
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睦月くらげ
扇子持つ芸妓のような老木の枝先反りて湖面に届く
6
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睦月くらげ
洋服を燃やしてしまえばワタシから自由になれるような気のして
3
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睦月くらげ
そこにある石を認めた瞬間に孤独であると人は感ずる
3
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うめ
藍色が朱にかぶさればぬばたまの闇にとけゆく熱と匂いと
5
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美津村
駅のベンチにありし一円貨幣をば払ひ落して人腰掛けぬ
7
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夏恋
美しい恋の調べの楽の音で君が優しい嘘を奏でる
12
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仲ノ
真夜中の赤信号に立ち止まる小さな正義を認めて下さい
5
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仲ノ
地下鉄の生温い風吸い込んでいざ溶け出さん夜の紫
3
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仲ノ
キラキラと光る排ガス吸い込めば大人になれるような気がして
4
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仲ノ
地下鉄の揺れる吊革眺めつつふと思うあなたのアルペジオ
4
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