詠み人知らずのお気に入りの歌一覧
恣翁
雨近し 家路急げと 少女風 蛙も鳴けり ケエロケエロと
29
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恣翁
殘留と 漸く決まり あと二年 晩節穢す 最後の足掻き
18
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恣翁
まひるどき 簾透した 中庭の 石榴の花ぞ そのみ明るき
30
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恣翁
窓つたふ 雫に滲みし ネオンの灯 紫陽花のごと 色變はりゆく
32
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恣翁
窓越しに 機上から見る 種子島 梅雨の晴れ間に 青く染まりぬ
27
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恣翁
鈍色の 黴雨空映す 池の上の 濃緑匂ふ 猛きもみぢ葉
30
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恣翁
明け遣らぬ 朝靄の中 群舞する 幻想的な 山毛欅の樹々たち
27
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恣翁
雛鳥が 遠く羽ばたく 良縁日 絶えて忘るな 父母の愛
24
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恣翁
父の日に 倅が呉れし 旅土産 鹽っぱきへしこぞ 泪の味せる
28
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恣翁
沙場にて 朝日に向かひ 跪き 祈りを捧ぐ 遊牧の媼
27
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恣翁
ありがたき 千もの拍手に 惑はされ 聞こえ氣にして 歌や詠みける
48
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恣翁
時停まる 午下を盛りの 陽に向かひ 向日葵が顏 傾けるのみ
25
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恣翁
雲居より 闇照らしたる 月影に 浮かび上がれる 繋がれし船
36
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恣翁
靜かなる 緑の池畔の 浮島に 墓標のやうな 眞白き枯木
33
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恣翁
岩場から 竿出し見遣る うき越に 青一髮や 露西亞なんめる
23
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恣翁
醉ひて臥し 比叡の山に 中天の 月かかる迄 眺めけるかな
33
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恣翁
朝日浴び シルエットのみ 浮かび出づ バリの女や 沐浴したる
18
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恣翁
葉陰から 黄丹の殘照 眺めけり バリの夕べは 氣怠くありぬ
16
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恣翁
移ろへる 季節の中を 驅け逝ける 人は孤獨な 長距離走者
22
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恣翁
朝ぼらけ 石竹色に 變はりゆく 鏡の湖に 浮かぶ島影
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