詠み人知らずのお気に入りの歌一覧
恣翁
釜の湯に 羽毛のごとく しらす舞ふ 腰越濱に 春來たるらし
30
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恣翁
百尺の 竿頭さらに 進めれば 神は見てゐる 春は來るべし
20
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恣翁
女子の 泪のやうな 花びらを 浮かべて碧き 水や流るる
22
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恣翁
睦まじく 揃ふて散歩の 老夫婦 心惹かれし 日曜の朝
21
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恣翁
陽光が 昏き林に 射し込みて 照らす隅のみ 金粉が舞ふ
32
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恣翁
週末の 喧騷滿つる 居酒屋で キャベツ齧りて 我獨り飮む
32
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恣翁
缺けし齒の 痕が氣になり 弄へるを 舌先荒れて 食味落ちたり
23
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恣翁
碧流に 浮かぶ花びら 女子の 涕のやうに 淡く消えゆく
18
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恣翁
足止めて 夫が妻に 語り掛く 咲く花のこと 翔ぶ鳥のこと
28
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恣翁
仙川を 愛しみつつ 散歩する 老夫婦のごと 老ゐてゆきたし
23
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恣翁
奧齒缺け 喰らひし後に 手放せぬ 楊枝使へる 我や老いにし
20
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恣翁
風に舞ふ 破片のごとき 花吹雪 名殘惜しげに 浮きつ漂ふ
26
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恣翁
先逹の 送られし歌 返されず 思ひもかけぬ ことなりしかば
17
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恣翁
花水木 濡れてぞ彩を 深めける 通り過ぎゆく あたたかな雨
35
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恣翁
ぺこちゃんと 圓き顏ゆゑ 呼ばるるを 嫌がる吾娘は お年頃なり
30
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恣翁
五月雨を 集めてうねる 音羽川 大蛇のごとく 岩や食むらむ
29
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恣翁
白日の 光の子らが さんざめき 土手の色なむ 濃く變へてゆく
28
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恣翁
鳴滝の 父母眠りたる 菩提寺を 訪ね來たれば 花散り果てぬ
29
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恣翁
父母も 眺め遣るべし 京の町 春霞立つ 墓參りかな
29
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恣翁
映じたる 詠みたきものと その像を 寫生し素直に 吐かむとぞ思ふ
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