桜田 武のお気に入りの歌一覧
滝川昌之
列島に等圧線が縦並び冬型きつく鉄格子ごとく
19
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滝川昌之
秋の日の風向きのまま立ち枯れた芒に日脚伸び冬茜
19
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横井 信
締め切った窓を開ければ冷えた風 空へと昇る大きなけむり
12
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横井 信
ため息のかけらを集めにじんでる曇りガラスの向こうのひかり
20
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灰色猫
一歩すら踏めないときも大丈夫倒れることは歩んでいること
13
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ながさき
厳寒の 冬も必ず 春となる 冬が秋へと 戻ることなし
12
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滝川昌之
飛ぶよりも小走りが好きセキレイはつんとすまして避けるのが好き
18
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林林
長月の子の旅土産おせんべい最後の一枚無事年を越す
12
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林林
あたらしく頑張ろうと思うことに半歩近づき少し休んだ
12
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ながさき
金と銀 瑠璃や瑪瑙で 飾られた巨大な塔が 虚空に浮かぶ
11
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ながさき
阿仏房 尋ねて云わく 「宝塔」とは 答へて云わく 「貴方の生命」
10
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灰色猫
豊作のかぶら近所にお裾分けまさかメロンのお返しが来る
10
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灰色猫
丁寧に育てたはずの冬大根今年も父に遠く及ばず
19
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滝川昌之
鍵穴が墳墓の形に見えるから亡父の机の開けぬ引き出し
21
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滝川昌之
珍しい酒の瓶など捨てられて集積場に名残る年越し
24
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横井 信
動き出すときはまだかと霜の降る冬の大地も朝陽に香る
13
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横井 信
まだ早い朝を見守る街灯の明かりの中で踊る雨粒
19
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林林
うたのわの海に潜ればあたたかく痛みも凝りもしゅわしゅわ溶ける
12
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灰色猫
天地も理由があって暴れるの人は自然を崇めるだけなの
10
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滝川昌之
クリスマス妻と本など贈り合い読書灯にて更けゆく聖夜
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