桜田 武のお気に入りの歌一覧
ななかまど
どれほどの時間が土にかえすのか忘れさられし石くれ仏
12
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滝川昌之
あと二年勉強したいと言い出して末の子放さぬ吾の脛細り
14
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滝川昌之
通学路日傘をさした女子児童すました所作は本気の淑女
13
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ななかまど
いちにちの始めつかのま開きたりすがし光よ朝顔の青
10
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滝川昌之
無花果の葉が大好きなカミキリは きしきしと食むお行儀悪く
15
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へし切
摘み取られ花もあはれにコロナ禍の夏を淋しむあぢさゐの寺
18
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ななかまど
キビタキはわれのあしおと仲間とて里から森へたどる午後の日
10
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ななかまど
コバルトの日射し防ぎし昼休みあお向けに寝る麦わら帽子
13
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滝川昌之
ほくほくを 手渡す肉屋 ソースなど 要らぬコロッケ はふはふと噎せ
17
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滝川昌之
憂鬱は月曜朝の通勤に湿って腕に貼りつくシャツに
16
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へし切
切なきとひとり老い身を嘆きつつ詮無き今日のひと日を生きる
16
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へし切
悔やまれる言わず送りし「君が好き」思ひは黄泉に届くだろうか
18
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灰色猫
この本は未来に向けた叫びだね炎にくべて暖まろうか
7
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灰色猫
忙しく働き過ぎていたのかな天然水が山河をくれる
7
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横井 信
六月の緑の陰に白蝶のふわりと浮いてひろい青空
12
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桃山
何のため誰のためにか朝毎に三十一文字を記し続ける
9
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桃山
青々と育ちて並ぶソラマメのソラは蚕と知るも楽しき
10
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へし切
スポーツの気高き心を信じたい 疑うらくは五輪の精神
7
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ななかまど
食ほそり動きの遅き老猫の背中の姿にわが影を見る
12
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滝川昌之
淑やかに首傾げて咲く百合の重き空さえ照れる気品よ
16
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