詠み人知らずのお気に入りの歌一覧
恣翁
パチパチと 撥ね迸る蝋燭の火の向かふにや 明日来たるらむ
20
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恣翁
媚を売る ジャーナリズムの屍に 湧きし不潔な蛆虫どもめ
20
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恣翁
縁側の新聞 風にはためくを見つつ 冷えたる麦茶飲み干す
21
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恣翁
歳経るに 善き友を知り 詠み合へり 無塵無俗にほど遠けれど
23
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恣翁
横座り 吾の耳元に唇を寄せ 君 「うれしい」とそっと囁く
21
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恣翁
僧坊の濡れ縁抜くる温風に 擬宝珠越しなる庭ぞ声なき
21
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恣翁
移ろへる哀しみ湛へ 彼の女は 真白き裸身横たふるかな
20
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恣翁
徹夜明けの眼を細めたる面にし 射しにけるかな 朝日の直に
20
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恣翁
秋立つと 目にも明かに知られけり 天の高さと雲の形に
24
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恣翁
大仰に顔顰むれど 太腿の弾む触感に 目を細めたり
22
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恣翁
夕暮れに 魚誘はむと 擬餌針を 巧みに操る釣り人の影
22
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恣翁
怠さうにうねれる波を よろよろと 汚れし帆張る船ぞ越え来る
31
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恣翁
姿見に映れる己が裸身に うっとり目を閉ぢ 口付くる君
22
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恣翁
歌声の底に籠もりし愛染に 月も潤みて二人濡れたり
25
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恣翁
泡沫ゆ生れしウェヌスは 薔薇色に頬染め 浦回に裸身晒せり
21
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恣翁
愛せらるる悦びばかり追ひ求め 君は愛することに気付かじ
20
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恣翁
背を丸め 顎突き出して眉顰め 祈るがに 陰見蕩れたりけり
19
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恣翁
涼風の夕べ告ぐるに 漕ぎ出せば 新秋の月 櫂を叩けり
34
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恣翁
竹叢を渡る青北風 潮騒に似たる葉擦れを さやがするかな
26
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恣翁
高殿の欄に凭る郎女や 思ひに沈み 誰を待つらむ
22
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